民族時報 第995号(03.01.21)


【資料】

    注目される大統領職引継ぎ委の活動

  次期政権の政策決定機関 南北交流協力など10大課題を提示

十二月十九日の大統領選挙で当選した盧武鉉氏は、二月二十五日に大統領に就任する。この約二か月間に政権引き継ぎの作業を行うのが大統領職引き継ぎ委員会で、任務は大統領選挙当時の公約を実行する準備を行うことと、次期内閣の骨格をつくることだ。

委員は改革派

 盧武鉉次期大統領は引き継ぎ委員会委員長に民主党政策委議長の林采正議員を指名し、副委員長ら七分科会の幹事を決定した。

 引き継ぎ委の委員長や幹事らの任期は二か月で、次期政権の首相や閣僚に就任する者は少ない。しかし次期政権の政策を決定するという意味で、人選は次期大統領の重要な仕事の一つだ。

 林采正委員長は七五年に東亜自由言論闘争で東亜日報から解雇された「在野民主人士」で、次期大統領とは九二年からの「同志」だ。林委員長は選挙対策委で政策本部長として選挙公約の開発を指揮するなど、次期大統領の信任があついといわれる。とくに林委員長が国会の統一外交通商委員として、対北和解・協力政策の必要性を一貫して主張したことも人選の要因になったとされている。

 また七人の幹事もほとんどが改革派の人士で、次期大統領の政策公約を手助けしてきた仲間だといわれる。

 盧武鉉次期大統領は昨年末の引き継ぎ委員会の初会議で、委員らに「盧武鉉政権の地図成作者として、国政を遂行するとの責任感を持ってほしい」と述べるなど、引き継ぎ委の重要性を強調している。

十大議題を提示

 引き継ぎ委員会は七日、新政権の基本哲学と政策目標になる十大国政議題を発表した。十大議題は@朝鮮半島の平和体制構築A北東アジア経済の中心国家の建設B自由で公正な市場秩序の確立C科学技術中心の社会の構築D参与福祉と生活の質向上E国民統合と両性平等社会の具現F教育改革と知識文化強国の実現G地方分権と国家均衡発展H腐敗のない社会、奉仕する行政I政治改革の実現だ。

 主な内容は、@は北朝鮮の核問題の解決と信頼構築、兵役期間の短縮、平和体制構築のための多角的対話通路の準備、北東アジアの平和協力体など。

 Aは南北の経済交流協力、北東アジアの経済協力体制、物流・ビジネス中心国家のための基盤構築など。

 Bは経済システムの改革、税制改革など。

 Cは科学技術者の士気伸張と科学技術人力の養成、働き場所の創出など。

 Dは全国民の健康保険制度の実現、国民福祉の増進など。

 Eは五大差別(性、障害、学歴、非正規職、外国人)の解消、労使の和合など。

 Fは公教育の内実化、教育の自立性と多様性の強化など。

 Gは地方分権化、地域経済の活性化など。

 Hは国家システムの革新、行政改革、透明公正な人事システムの確立など。

 Iは中・大選挙区制など選挙制度の改善、金のかからない選挙の実現、政治資金の透明性確保などだ。

 これからもわかるように、盧武鉉次期大統領は第一に、現在懸案になっている北朝鮮の核問題の解決と信頼構築を挙げた。これは南北問題すなわち民族問題を六・一五共同宣言の原則で取り組むとの意志の表れと見ることができる。またAで南北経済の交流協力を挙げたのも、民族団結を優先視する政策と思える。

 大統領選挙後に、盧武鉉次期大統領の政策や人となりについて特集が数多く組まれた。一様に指摘しているのは、現、前大統領のように職業政治家ではないため、なかなかユニークな政策や取り組みがあるということだ。

 昨年末、米国が北朝鮮を経済封鎖するとの方針を出そうとしたとき、「(朝鮮半島に関して)米国のどのような措置も韓国の意見を最優先に尊重しなければならない」と発言したように、米国に対しても率直な意見を述べている。日本のメディアが、韓国の政治家としては珍しく米国を訪問したことのない人だと批評したことがあるが、次期大統領は米国との関係で「写真を撮るために米国に行くつもりはない」などと、米国もうでの意志がないことを述べている。

 南北関係と韓国政治を支配してきた対米従属思想を取り払い、民族自主と南北統一、社会の民主化を実践する「民の代表」が生まれようとしている。 (梁珠賢記者)


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