民族時報 第995号(03.01.21)


【焦点】

    高まるSOFA全面改正要求の声

汎国民対策委、韓米両国の欺瞞的な運用改善案合意を批判

 韓米両国は昨年十二月二十三日、韓米駐屯軍地位協定(SOFA)合同委員会傘下の刑事裁判権分科委員会を開き、これまで論議されてきたSOFA運用改善法案に合意、発表した。

 内容は@初動捜査時、韓国警察の現場接近および共同調査の許容A米軍犯罪発生時、米政府代表の一時間以内出席B米軍被疑者の引き渡し後も、韓国捜査機関の出席要求に積極強力C捜査上の関連資料の相互提供D米軍被疑者の肖像権保護の五項目だ。

 しかし、改善案の中身は既存の協定にすでに含まれている内容であり、新しい点といえば、「共同現場調査」を明文化した程度だ。すでに協定に規定されているにもかかわらず、韓米当局がこれを守らなかったことが問題で、今回の改善案によって実質的な運用が改善されるとの当局の発表に、国内世論は冷淡だ。

 今回の女子中学生れき殺事件でも、二人の容疑者が米軍に引き渡された後、韓国側の要求を受け入れて議政府の検察庁に再召喚され出頭しているが、肖像権の侵害を理由に、調査を受けずに勝手に米軍キャンプに戻ってしまったように、強制力のない規定は有名無実だという指摘が大半である。

 米軍装甲車による女子中学生シン・ヒョスン、シム・ミソンさん殺人事件汎国民対策委員会(汎国民対策委)は同月二十四日、声明を発表し、運用改善合意は国民を欺まんするものときびしく批判した。

 汎国民対策委は、米政府代表が立ち会わなければ被疑者の陳述証拠能力を認めない(SOFA合意議事録二十二条九項)など捜査権を制約する規定を改定しなければ実効性がない、米軍犯罪に対する初動捜査が強化されるためには、米軍が協力すべき義務についてSOFA本協定に強く具体的な文章で明文化されなければならない、などと主張している。

 汎国民対策委の立場は、運用の改善などではなく、本協定の根本的な改正が不可欠だというものだ。公務中とされる米軍の軍事訓練から韓国人の人命と財産を保護するためには、公務中の犯罪のうち、韓国人に死亡または重傷を負わせた重大犯罪に対して韓国が一次裁判権を持つようSOFAが改正されなければならない、また、これまでの公務外事件のうち、九〇%以上裁判権を米軍に渡すようにしている現行のSOFAの根本的な改正を行わなければならない、というのが核心だ。これはヒョスンさんとミソンさんを追悼し、ロウソクを掲げて街頭に立つ市民らの心情でもある。


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