民族時報 第849号(98.4.11)


 

 インタビュー

 

 98年度運動方針の内容について

 

 金政夫・韓統連事務総長に聞く

 

 ――金大中政権がスタートし、韓統連の今年の運動方針が内外で注目されているが、先の代議員大会の意義について。

 「今回の代議員大会は、IMF信託統治といわれる未曾有(みぞう)の経済危機のもとで、与野党の政権交替によって金大中政権が発足した新たな状況下で開かれた。大会の意義で最も核心的なことは、金大中政権下で、われわれ自主・民主・統一運動勢力が、どのように運動を展開するのかという点で、認識を一致させることができたことだ」

 「金大中政権に対する大きな期待が内外にあるが、新政権は自ら保守中道を自任する金大中大統領と、反動的な保守勢力である金鍾泌氏ら自民連との連立政権であり、与党の国民会議自体も保守的な人士の大量受け入れで保守化しており、改革的な人士は少数に過ぎない」

 「国会でも野党のハンナラ党が過半数を占めており、社会の各界に反動勢力が多数網羅されている状況は何も変わっていない。このように基盤の弱い政権ゆえに、革新的な政策を断行していくには世論の強い圧力と支援が必要だ。反動勢力と対抗して民主改革と統一促進へと進むためには、これまで以上に自主・民主・統一運動の役割が重要だ。新政権が進歩的な政策を打ち出して実践するように、この運動を強化して国民の力で新政権をけん引していかなければならない。このことを討論を通してしっかりと確認することができた」

 ――今年の運動基調は何か。

 「南の経済危機と北の食糧難という事態を、分断による民族的危機ととらえ、危機克服の方途を統一実現の方向で見い出さなければならないということだ。韓国では、IMFの厳しい管理のもとに市場開放が強要され、外国資本の進出が急速に進められている。政府は外国資本を誘致することで、新しい事業が開拓され新規雇用が創出されると主張しているが、実態は経営危機に陥った企業にあえて投資するよりは、優良企業を安く買い取ることによって、企業合理化がより促進されているのが実情だ。深刻な経済危機のなかで、新規分野に投資しようとする外国資本はほとんどない。IMFを通した外国資本の韓国企業乗っ取りが進行しているといっても過言ではない」

 「したがって、外国からの支援に頼るのではなく、自主的な立場にたって民族内部に解決の道を求めることが必要だろう。具体的には、(南北ともに)大幅な軍縮を行って膨大な軍事予算を大胆に削減することだ。そのためには、これまでの対北敵対政策を和解政策へと転換しなければならない。このことが危機克服の核心的な解決方途であり、自主的な民族経済を確立して統一を早めることにつながる道だ」

 ――今年の統一運動の方向性について。

 「汎民連をはじめ民間統一運動の役割がますます重要になってこよう。これまで、歴代政権は南北対話と交流の窓口を政府に一元化するとして、民間レベルの自由な南北交流に厳しい制限を加え、汎民連や汎青学連に対して国家保安法で弾圧してきた。新政権はこうした弾圧政策をやめ、民間統一運動の自由を保障することによって統一運動の活性化を促すべきだ。九〇年に第一回汎民族大会が盛大に行われた後、初の南北首相会談が開かれて、南北基本合意書が交わされた。これは、民間統一運動の高揚が当局間対話を促進させた立派な実例だ」

 ――「国民の政府」を標ぼうする金大中政権がすべきことは何か。

 「南北和解政策への転換は国内政治でも基調にならなければならない。南北対決政策と民主主義の抑圧は表裏一体のものとして機能してきた。「北の脅威」を口実に民主主義を制限してきた制度的機構を取り除くことが必要だ。何よりも、国家保安法を廃止して安企部を解体しなければならない。また政治犯の釈放についても、国民和合の名において死刑宣告を受けた全斗煥・盧泰愚まで赦免しておきながら、政治犯の選別釈放などあってはならないということだ。このことは新政権の道義性にもかかわる問題であり、全政治犯の即時釈放を行うべきだろう」

 ――運動方針を立派に展開するうえで、組織強化が何より重要だが、それに向けた取り組みについて。

 「今年は、韓統連結成二十五周年を迎える。この間、民主化と統一を一貫して主張し闘ってきた運動路線に対する確信を強め、運動と組織に対する自負と誇りを持つことが大切だ。そして、新しい世代が台頭している在日同胞社会に、この運動をしっかりと根づかせ発展させるために、創造的な大衆運動を開拓していかなければならない。そのために、学習事業と文化啓もう事業に力を入れていくつもりだ」

 


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