民族時報 第830号(97.9.11)

 

読者の声

 

北の祖国を訪れて

 

申久江(東京都・会社員)

 

 九〇年の第一回汎民族大会に参加して以来、七年ぶりに北部祖国の板門店で開かれる第八回汎民族大会に参加した。経済的に厳しい状況のもとで開かれる大会だけに、わたし自身、緊張した面持ちで祖国を訪れた。

 北に対する日本社会での報道は、甚だしくわい曲されたものだ。国民が飢えている、子どもたちが次々に餓死している、伝染病がまん延している、暴動が起こっている、高官が亡命し、体制の崩壊は時間の問題だ。あげくのはては、人肉を食べて飢えをしのいでいるなどと、無責任極まりない内容の報道がまかり通っている。不確かな情報をもとに推測、憶測で書かれた記事が、多くの同胞の心を動揺させている。わたし自身も、不安と心配、嘆きが入り交じり、何に希望と期待を見い出せばいいのかと思い、悩んだ。

 しかし、北部祖国では七年前と同様に、私たち日本地域本部のメンバーを熱烈に歓迎し、汎民族大会に期待する統一への熱い思いは変わっていなかった。

 国際的に経済状況が厳しく、二年続きの水害による食糧不足で、国民への配給は滞ることもあるのが実情だった。子どもたちも食べるものが少なく、栄養失調の状態で、胸の痛い思いを何度もしたのも事実だ。

 それでも、その厳しい状況を国と国民が一体となって乗り切ろうとする姿が、北部祖国にあった。南北対立から南北共存に変えようとする固い決意と意志が、今回の汎民族大会で示されていた。

 二つの祖国が一つになる。お互いを認め合い、尊重することで、民族の平和と発展が得られる。このことが、わたしの中で一層具体的に、さらに大きく広がっている。連邦制による祖国統一は、必ずなし遂げられると確信することができた。