民族時報 第830号(97.9.11)

 

主張

 

全・盧赦免は民族反逆行為

 

 大統領選挙を百余日前にした八月三十日、国民会議の金大中大統領候補は、収監中の全斗煥と盧泰愚に対する「無条件赦免」を主張した。次の日には、李会昌・新韓国党候補が一歩踏み込んで、「秋夕(旧盆)前の赦免」を金泳三大統領に建議するとの意向を明らかにし、これに乗り遅れてはと、趙淳・民主党候補は「二人の前職大統領を獄中に閉じこめることは、国民自身に対する報復」との極言すらためらわなかった。

 大法院(最高裁)が全斗煥・盧泰愚に無期懲役と懲役十七年の判決を下して、わずか五か月にもならない時点で、与野党の大統領候補が先を競って赦免の主導権を握ろうと、嘆かわしい競争を繰り広げている。また金大統領も「秋夕までの赦免」には時期尚早と反対したが、「任期内赦免」を公言したことで、二人に対する赦免措置は事実上、既成事実化した。しかしどの角度から見ても、全斗煥と盧泰愚に対する赦免をこの時期に考慮しなければならない妥当な理由や根拠は見い出せない。

 彼らは数え切れない数多くの市民を虐殺して政権を強奪した、反乱と内乱の首魁(しゅかい)であり、権力を悪用して数千億ウォンの不正蓄財を行った極悪非道の罪人である。また彼らは今日に至るまで、自ら犯した途方もない罪科に対して、ただの一回も誠意ある謝罪や反省を表明したことはない。そのために「無条件赦免」に反対する国民世論は七四%に達しており、八○%が彼らの刑に服する期間が短いと糾弾している。

 全斗煥と盧泰愚に対しては一時、金大統領が歴史の審判に委ねようとかばい、検察も二度にわたって不起訴処分にした。しかし、虐殺で樹立された政権に必ず懲罰を加えなければならないという、国民大衆の烈火のような闘いによって五・一八特別法が制定され、彼らはついに歴史と民衆のしゅん厳な審判を受けることになった。

 このような事実には目をそむけたまま、そしてこの国の自主・民主・統一のために献身したゆえに、不当に拘束された数多くの良心囚を獄中に閉じこめたまま、二人の赦免を主張するのは歴史と国民の意志に背く反逆行為になる

 数日前、われわれは与党の大統領候補選びの過程で、朴正煕の亡霊がよみがえって、わが世の春をおう歌する光景を目のあたりにした。大統領候補らが競って全斗煥と盧泰愚の「赦免」を主張するのは、全斗煥・盧泰愚政権勢力を抱き込み、選挙で得票を伸ばそうとする政略から出たものである。

 何人かの大統領候補が自己の政権欲を満たすために歴史の審判を覆し、正義を踏みにじる反民族的行為を、われわれはこれ以上、見過ごしてはならない。現在の韓国政治は、金銭欲と政権欲にとりつかれた政治屋らによって、腐りきった重症状態にあり、時計の針は逆方向に進んでいる。

 正義をよみがえらせて歴史を立て直し、自主・民主・統一を実現しなければならない。この聖なる課業の主体は労働者、農民、学生をはじめとする民主的な愛国進歩勢力である。すべての民主、進歩、愛国勢力は固く連帯し、大統領選挙で旧政治勢力を清算して、新しい政治、新しい時代を切り開いていかなければならない。