民族時報

民族時報 第1253号(14.08.01)


【論説】

仁川アジア競技大会を南北関係改善の好機に

 九月十九日から仁川で開かれるアジア競技大会を、凍(い)てついた南北関係を改善する転換的契機にしなければならないという世論が高まる中、七月十七日に板門店で南北実務接触が開かれた。北朝鮮はこの会談で七百人規模の選手団・応援団を派遣すると明らかにした。移動は陸・海・空路を利用し、選手団三百五十人は西海直航路、応援団は京義線で陸路を利用し、応援団の宿舎は万景峰号とすると明らかにした。南北の合意で成し遂げれば、実質的に五・二四制裁措置を無力化することになり、南北関係改善は進展するだろう。

 しかし南側が、選手団と応援団の規模と滞在費、国旗のサイズなどを問題とし、実務接触は決裂した。にもかかわらず実務接触決裂以後も、朝鮮オリンピック委員会はアジア競技大会に選手団を送ることを決定したと発表し、アジア競技大会参加が「南北間の関係を改善し、不信を解消する重要な契機」と強調した金正恩第一書記の発言を朝鮮中央通信は伝えた。祖国平和統一委員会も談話を発表し、民族の和解と団結、世界各国の親善と平和を図るための大会参加意志を再度表明した。

 

北の平和攻勢「特別提案」と「共和国政府声明」

 北朝鮮の国防委員会は六月三十日、南側当局に送る「特別提案」を通じて、七・四声明四十二周年を契機に、南北間で採択されたすべての声明・宣言・合意の徹底した履行と、相手方に対する誹謗(ひぼう)中傷と軍事的敵対行為の全面中止と和解と協力、民族繁栄の新しい転機をつくるための具体的な措置を取っていこうと述べ、アジア競技大会を契機として八月の韓米合同軍事演習の中止を提案した。

 次いで七月七日、最高水準の格式である共和国政府声明を通じて「南北関係改善と民族団結の雰囲気をつくるため、仁川アジア競技大会に選手団と応援団を派遣することにした」と発表した。声明ではまた、同族対決政策を連帯和解政策に変える一大勇断を下すことを求め、南北間の接触往来を遮断する法的制度的措置の解体を要求した。その後、国防委政策局報道官談話、労働新聞論説などを通じて、特別提案と政府声明に積極的に呼応することを求めた。

 特別提案に対して朴槿恵政権は統一部の報道官声明を通じて「南北間の軍事的緊張高揚と南北関係閉塞(へいそく)の責任を我が方に転嫁するとんでもない主張と真実味が欠如した提案」として断固拒否した。しかしアジア競技大会に対しては統一部は「国際慣例に従って応援団が来ることを、私たちが受け入れない理由がない」と明らかにした。

 

統一準備委員会の問題点

 一方、朴槿恵大統領は七月十五日、自身を委員長とした統一準備委員会委員五十人を発表した。統一部長官と民間人一人が副委員長となり、当然職として与野党の政策委議長が参加、外交安保分野には脱北者も一人含まれた。統一準備委員会は運営方案を発表、政府と民間委員が協力して統一韓国の未来像と統一推進の具体的方向性を提示すると明らかにした。またこの日、大学総長三十人と高校校長二十人、前・現職言論人で構成された諮問団六十八人も発表した。しかし問題は、委員と諮問団人士が保守一色だという点だ。

 六・一五と一〇・四宣言の中心となって活躍した政官界の人士、南北交流協力事業を推進してきた人士と宗教界、民間統一運動の人士が見当たらない。朴槿恵政権が本当に統一を望むのならば、統一の相手である北が呼応できる方向で、南北和解と協力を通じて統一を準備しなければならないだろう。

 

対話に逆行する軍事演習実施

 北側が特別提案を通じて計画中止を訴えた大規模韓米合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」が、北核先制攻撃に焦点を合わせ、朝鮮半島の軍事緊張と南北不信・対決を激化させ、私たち民族の滅亡を招く危険な戦争演習だということは、広く知られている事実だ。統一を語りながら外勢と力を合わせて同族に銃口を向けるのは、まったく矛盾した話だ。

 済州島南方海上で七月に強行された韓米日合同軍事演習に対して、韓国進歩連帯など五十九の市民社会団体は「朴槿恵大統領と国会が、日本自衛隊の軍事訓練の機会となる合同訓練に参加し、集団的自衛権行使を後押しするということは、国民を欺瞞(ぎまん)するのはもちろん、東アジアの平和を破壊することに同調する犯罪行為だ」と糾弾した。日本自衛隊が集団的自衛権行使で朝鮮半島に上陸する危険性も排除することはできない。朝鮮半島が列強の角逐(かくちく)場になる危険性を否定できない状況で、朴政権に与えられた緊急の課題は、外勢共助より民族共助で平和で豊かな国を建設することだ。

 

六・一五、一〇・四宣言を履行せよ

 朴大統領は就任以後、「統一大当たり論」、朝鮮半島信頼プロセス、ドレスデン提案に続き、自身が委員長を担う統一準備委員会を設立して、継続して統一を強調してきた。このような言動にわずかでも真実が含まれているのならば、六・一五と一〇・四宣言を誠実に履行し、これまで祖国統一のために献身的に活動してきた人々を果敢に登用しなければならない。おりしも仁川で開かれるアジア競技大会は、南北の信頼回復と関係改善のための絶好の機会だ。統一のパートナーとして、同族として、選手団と応援団を温かく迎えるのはもちろん、合同応援や合同入場が実現されれば、韓国社会にまだ残る反北意識の解消に大いに役立ち、民族の和解に大きな影響を与えられるはずだ。列強の角逐が繰り広げられる中で、私たち民族の生きる道は民族共助だけだという事実を、肝に銘じなければならないだろう。

(河民宇記者)


HOME MENU バックナンバー