民族時報 第1233号(12.12.01)


【主張】早い次回協議に合意

    朝日協議「幅広い深みある議論」

 

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と日本の外務省局長級協議(政府間会談)が十一月十五、十六日の両日、モンゴル・ウランバートルで開かれた。協議には宋日昊・朝日国交正常化担当大使、杉山晋輔アジア大洋州局長をそれぞれ団長とする朝日代表団が参加した。

 議題は、八月末の課長級協議で合意済みの「双方が関心を有する幅広い事項」。日本側としては拉致問題の進展が焦点だった。

 協議では「日本側が拉致問題を提起した。北朝鮮側は解決済みとの立場をとるが、今回の協議ではそれを強調せず議論を拒まなかった」(朝日新聞・十六日付)と、拉致問題が議題に上がったことを日本側が明らかにし、宋大使も十八日、帰国前の空港で報道陣に「(拉致問題を)議論した」と述べ、北朝鮮側も拉致問題の協議を認めた。ただ進展などについては言及しなかった。

 日本側は第二次世界大戦末期に北朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還と墓参なども提起し、協議したもようだ。

 協議全般について、宋大使は「幅広く深みのある議論をした。建設的な協議だった。進展があった」(十八日)と述べ、日本側も玄葉光一郎外相が「今回の協議は拉致問題をはじめ突っ込んだ意見交換ができて有益だった」(二十日)と同様に評価している。

 双方が協力的な姿勢で協議に臨み、建設的な雰囲気の中で進行したことをうかがわせる。両者はできるだけ早期に次期協議を行うことで合意したが、玄葉外相は二十日、「そんなに遠い時期ではない」と語り、十二月十六日の衆院選投開票前の開催についても、「可能性はなしとしない」と早期開催に積極的な姿勢を示した。宋大使も「来月十六日の総選挙に関係なくやろう」と述べたという(朝日新聞・二十二日付)。

 朝日関係の改善は、ピョンヤン宣言に基づいて解決すべき懸案。重要なのは相互信頼を醸成しながら、対話と交渉を粘り強く重ねることだ。

 宋大使は朝鮮新報のインタビュー(二十六日)で「朝日関係改善に対するわれわれの意志に変わりはなく、一貫している。対話を中断することなく継続して、問題を解決させていく」と強調している。北朝鮮のこうした姿勢に呼応して、日本政府が雑音に惑わされることなく対話外交をしっかりと維持することが求められる。


[HOME] [MENU] [バックナンバー]