民族時報 第1225号(12.06.15)


【論説】野党連帯阻むため思想攻撃

    韓国政界に吹き荒れるマッカーシー旋風

 

 統合進歩党内の比例代表候補予備選挙の不正問題を口実とした、李明博・セヌリ党政権の進歩勢力に対するマッカーシー旋風が吹き荒れている。警察が統合進歩党の党本部を襲撃し、党の生命線ともいえる党員名簿が入ったサーバーを押収した。朝中東(朝鮮日報、中央日報、東亜日報)など保守マスコミは連日、「従北左派」などと進歩勢力に対して思想攻撃している。李明博大統領は「わが内部の従北勢力が大きな問題だ」として国論の分裂を助長しており、セヌリ党は統合進歩党を「従北勢力」とば倒し、先の総選挙で当選した李石基、金在妍議員に辞任圧力を加えている。

 「従北左派」攻撃の矢は、民主党にも向けられている。十二月の大統領選挙を前に李明博・セヌリ党政権は、進歩勢力を「従北左派」として国民世論を誤導し、野党連帯を阻止して再執権をたくらんでいる。

 

統合進歩党の比例候補不正問題

 五月三十日、国会が開会し、統合進歩党の比例候補として当選した李石基、金在妍議員が登院した。ついに自主・民主・統一のために先頭に立つ国会議員が誕生したのだ。しかし、二議員は統合進歩党の新主流派とセヌリ党、朝中東など保守マスコミの「自発的辞退」「除名」という集中砲火を受けている。

 統合進歩党の事態は、今年三月の比例代表選定のための党内投票で比例順位一位の尹今順候補と九位の呉オンマン候補の比例順位問題から始まった。呉候補が尹候補の票が多く出た十七の投票箱を調査することを提起、これに対し、代表団(李正姫、柳時敏、沈サンジョン、趙俊虎共同代表)は不正疑惑および比例順位変更問題を解決するために趙共同代表を委員長とする真相調査委員会を構成した。しかし、真相調査委が現場の投票箱の調査と不正該当地域、関係者に対する真相究明をしていない状態で、趙委員長が五月二日に単独でマスコミに「総体的に不正選挙だった」と発表したことから、進歩党の内紛が表面化した。その後、多くの部分が事実と違うと指摘されている。

 五月十二日に開かれた中央委員会では、真相究明要求を無視して沈サンジョン代表が比例代表の全員辞退を強行議決した。その過程で暴力事態も発生した。こうした事態を解決するために五月十三日、革新非常対策委員会(新主流派 姜基甲委員長)がスタート、二十日には全党員の投票で解決しようという党員非常対策委員会(旧主流派)がスタートした。革新非常対策委は辞退を拒否した李石基、金在妍当選者とチョ・ユンスク、黄羨候補(旧主流派)を「党の決定に従わなかった」という理由で党紀委員会に提訴、相次いで除名処分を強行した。尹今順―呉オンマン候補間の不正投票真相究明ではなく、李石基、金在妍への辞退圧力へと問題がすり替えられたのだ。沈サンジョン代表が「進歩政党内に目に見えない権力が存在する」(ハンギョレ新聞インタビュー)という発言も一役買った。こうした事態を李明博・セヌリ党政権と保守マスコミがもろ手を挙げて歓迎しないわけがない。統合進歩党など進歩勢力全体に対する総攻撃が始まった。

 

李大統領「われわれ内部の従北勢力が大きな問題」

 李大統領はラジオ演説で天安号沈没事件に言及しながら、「北の主張も問題だが、われわれ内部の従北勢力が大きな問題」だと語る一方、「自由民主主義を否定しようとする者はだれであれ、わが大韓民国国民は決して許さないだろう」(顕忠日追悼式)と述べ、従北理念論争をあおった。朴槿恵・セヌリ党前非常対策委員長は「国家観が疑われる人物が国会議員になってはならない」とし、李石基、金在妍議員を除名処分しなければならないと言い放った。

 保守マスコミは統合進歩党に対して不正を犯す勢力とば倒し、新主流派と革新非常対策委を擁護するような印象を持たせながら、党員非常対策委に対するイデオロギー攻勢を浴びせている。進歩的とされるハンギョレ新聞も保守マスコミ側についた。朝鮮日報は六月五日付社説で「李議員一派は韓国を敵視してきた人物らだ」と規定し、また「ダニのように国会にはりつく従北派に対置しようとすれば」(五月二十日付)というタイトルの社説で、「旧主流派が我を張ってダニのように国会にはりつくならば、わが社会も彼らを退治する殺虫剤を求めざるをえない」との低劣な言葉で理念攻撃した。

 保守マスコミを前面に立たせた総攻勢とともに、セヌリ党も全面的な進歩勢力攻撃に出た。民主統合党に民間人査察国政調査と李石基、金在妍議員の除名を取り引きしよう、とのあきれた提起をしたかと思えば、高位軍人出身議員らは「主思派出身の従北・親北国会議員と秘書陣の即時退場」を主張する記者会見も開いた。黄祐呂代表は「北朝鮮人権法は内政干渉」だと述べた李ヘチャン議員と脱北者と関連した林秀卿議員の発言と関連して国会議員の資格を審査しなければならない、などと攻勢をかけている。

 十二月の大統領選挙を前に、李明博・セヌリ党政権と保守マスコミは、進歩改革勢力の執権を防ぐために必死だ。憲政秩序を破壊してまで警察力を動員し、統合進歩党本部を襲撃し、党員名簿を奪ったのに、政治査察で政党活動をマヒさせ、野党連帯を何としても阻止しようとする下心が見える。

 今回、新しく選出された李ヘチャン民主統合党代表は、統合進歩党に対する攻撃と北朝鮮人権法問題、林秀卿議員の発言と関連して朴槿恵議員の「国家観」発言に対し、「悪質なマッカーシズムだ」と批判、李政権のマッカーシズム騒動に正面から対じすると宣言した。

 総選挙で統合進歩党は国民の支持で第三党になった。進歩勢力に対する李明博・セヌリ党政権と保守マスコミの総攻勢は、大統領選挙で進歩改革勢力の政権交代を何としても阻止するということだ。李明博・セヌリ党政権は、工作政治と古い時代の遺物であるイデオロギーで再執権するという妄想を捨てなければならない。

 (河民宇記者)


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