民族時報 第1200号(11.03.15)


【論説】経済政策失敗で支持率急落

李明博政権の「3月危機説」とは何か

 李明博政権の「三月危機説」が出ている。日本の朝日新聞(三月三日付)は、李明博政権が任期四年目を迎えて、物価高と口蹄疫、南北問題など相次ぐ難局で政権危機に置かれていると報道した。南北関係に対しては、保守系のマスメディアと与党関係者らも「柔軟性が必要な時期」と語っていると明らかにした。

 外信でも指摘しているように、李明博政権の対北対決政策によって南北関係は、日ごと悪化している。天安号、延坪島事態以後、先月せっかく開かれた高位級軍事予備会談も決裂し、対話は中断した状態だ。国民の反対にもかかわらず強行されている韓米合同軍事演習で、朝鮮半島の軍事緊張はいっそう高まっている。

 李明博・ハンナラ党政権は、出発当初に七百四十七の公約(七%成長、四万ドルの所得、世界七位の経済力)を掲げ、三百万人の雇用創出を国民に約束した。しかし、執権から三年間、年平均の経済成長率は二・八七%(達成率四〇%)、雇用創出は十三万二千人(目標値二二%、三年間の就業者数三十九万六千人)にとどまった。庶民の主要生活費は三〇%節減、約束の履行は○%だ。経済正義実践市民連合(経実連)は「李明博政権は公約履行に失敗した」(二月二十三日)と指摘し、国政運営と政策基調に対する全面的反省と省察を求めた。結局、李明博政権は、三年間で南北関係を悪化させただけでなく、経済再生にも失敗した。

 「生きているもの以外、すべて値上がりした」

 統計庁は二月、消費者物価の上昇率は昨年に比べて四・五%で、二か月連続で四%以上上昇したと明らかにした。二〇〇八年十二月以後、最高値を記録したことになる。特に需要が多い白菜は、前年より九四・六%も上がり、豚肉は三五・一%、石油製品は一二・八%、工業製品は五・〇%上がった。これ以外にも、物価は全般的に上がっている。また韓国特有の賃貸住宅の保証金が三・一%、一月の家賃が一・九%上がり、庶民は家を借りることも困難になった。中東事態と口蹄疫の波動で、三月の全体消費者物価は五%上がると、専門家らは分析している。

 韓国経済新聞が先月実施した世論調査で、李明博政権の三年間で「家計が苦しくなった」が五四・六%で、国民の半分以上が生活が苦しくなったと考えており、「よくなった」は一四・四%に過ぎなかった。また、「経済政策は失敗した」が五八・三%、「よくやった」は二七・七%で、「職務遂行はよくやった」が三三・八%、「できていない」が五五・〇%だ。「早急に解決すべき課題」は、物価安定五一・六%で、国政運営の支持率は三三・八%だ。「経済大統領」を自任して登場したが、経済政策の失敗で国民の生存権が脅かされている状況だ。

 李明博政権の三年間は、「不安、不信、分裂の時代」であり、「米国産牛肉問題で始まった不信と不安は、口蹄疫問題、物価と雇用の不安、家賃高騰など、果てのない民生不安へと続いた」という民主党の孫鶴圭代表(二月二十五日、最高委員会会議)の指摘は妥当だ。物価暴騰に加えて、口蹄疫の被害によって、庶民の生活はいっそう苦しくなっている。ずさんな対応策で口蹄疫を全国に拡散させた李明博政権に対する民意は、きわめて厳しい。

 三百四十六万頭を屠(と)殺、「アマチュア政府と批判されても返す言葉がない」

 口蹄疫拡散によって、畜産業が崩壊する危機におかれた。さらに殺処分した家畜の埋没地周辺の浸水・出水による環境汚染問題も深刻だ。

 昨年十一月二十三日に慶尚北道の豚畜産農家が口蹄疫の疑いを申告した後、二十九日に口蹄疫と確認された。その後の口蹄疫発生は十一の広域市・道、七十八の市・郡・区など、ほぼ全国を席けんした。政府が初期に迅速で適切な対応をできなかったためだ。口蹄疫発生から百日経過した現在、殺処分された牛と豚は三百四十六万六千百七十三頭だ。被害額は現在三兆ウォンと推算している。間接被害を合わせると、被害額はより一層増える。口蹄疫拡散で韓国の畜産業は崩壊の危機に瀕している。

 しかし国家的危機ともいえる口蹄疫拡散に対する政府の対応は、あまりにも安易でお粗末なものだった。李明博大統領が関係閣僚緊急対策会議を召集したのは、最初の口蹄疫の疑いが申告されて四十日が経過した一月六日だった。拡散防止のためのワクチン接種は、牛と一部の種豚だけを対象に十二月二十五日から慶尚北道、京畿道の五つの市と郡に限定されて実施された。問題点として@拡散防止のための主要道路遮断、消毒などの初期対応が不十分A伝染性が強い豚を初期接種対象から排除Bワクチン接種の時期を逸したこと、などが挙げられる。このようにして飼育豚の三分の一にあたる三百二十三万頭を生き埋めにすることになったのだ。大統領府内部ですら「アマチュア政府という批判を聞いても、返す言葉がない状況」(東亜日報三月七日付)だ。政策失敗と誤った対応で、口蹄疫が全国に広がったのだ。

 浸水・出水問題も同様だ。埋没地選定もせず上水源と地下水周辺に口蹄疫に感染した家畜を埋めたことで、飲料水源と地下水汚染の被害が出ている。埋没地は全国四千百七十二か所。生き埋めにされた豚が暴れて底のビニールが裂けたことにより血液の浸水・出水が起こったが、悪臭とともに口蹄疫ウイルス、病原菌の流出が憂慮されている。埋没地近隣で地下水を使用する学校給食所と飲食店が四百三十六か所に達するという調査結果も出ており、国民の健康が憂慮されている。最近、農林水産食品部が地方自治体に送った指針「家畜埋没地浸水・出水処理方法」で、口蹄疫ウイルスの確認もなく廃水処理場に回せと指示を下した事実も明らかになり、批判を受けている。

 国民が望むのは生存権保障と生活の安定、戦争ではなく平和である。

 (河民宇記者)


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