民族時報 第1200号(11.03.15)


【焦点】

北朝鮮の体制転換前提の統一シナリオを想定

統一部が推進中の南北共同体基盤づくり事業が、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の市場経済への体制転換を前提に十年後に統一される短期圧縮型と、二十〜三十年後に統一される中長期漸進型の二つのシナリオによって進行されることが明らかになり、波紋を呼びそうだ。

 政策研究分野の総論を担当している統一部付属統一研究院の朴ジョンチョル統一政策研究センター所長は三月三日、「短期圧縮型(二〇二〇年)は制度統合が早く到来するケースを想定し、中長期漸進型(二〇三〇〜二〇四〇年)は漸進的で分野別の和解協力増進と交流協力発展を通じて統一されるケースだ」と語った。また「中長期漸進型は三十年後(二〇四〇年)により焦点を置いている」と明らかにした。

 とくに統一に対する二つのシナリオが想定している社会体制について、朴所長は「統合は相互の両体制同一化というか、より直接的には北朝鮮の体制転換が核心だ」とし、統一部当局者は「自由民主主義の基本秩序と市場経済は当然だ」と断言するなど、北朝鮮の「資本主義」への体制転換を前提にしていることを強調した。

 南北共同体基盤づくり事業は昨年、李明博大統領が八・一五慶祝辞で平和・経済・民族共同体の三段階統一方案と統一税などの統一財源の準備に言及したことを契機に、急速に推進されてきたものだ。現在、南北交流協力基金から三十一億ウォンが投入され、政策研究と公論化事業に分けて進められている。

しかし事実上、吸収統一に対備する「統一準備」という批判を受けてきたのがこの間の経緯であり、今回、北朝鮮の体制転換を前提にした統一構想が明らかになったことにより、様々な波紋が起こるのは必至だ。

「非核・開放・三〇〇〇」から始まった李明博政権の統一政策は、祖国統一の大綱である六・一五共同宣言と実践綱領である一〇・四宣言を否定しながら、ついに北の吸収統一を公然と掲げるだけでなく、それをどのように準備し実現するのかという段階にまで進んだといえる。

 今年に入って、対決から対話局面へと進むかに見えた朝鮮半島情勢は、韓米合同軍事演習の実施で再び緊張状態を迎えている。対北対決政策と吸収統一方案では現情勢を打開することはもちろん、平和と統一の道をきり開くことも不可能だ。このまま反民族・反統一の道を突き進めば、李明博政権には厳しい審判がくだされることだろう。


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