民族時報 第1173号(09.12.15)


【焦点】汎民連幹部、裁判の停止で保釈

   無制限の盗聴は違憲

 五月に大々的な押収捜索と同時に国家保安法(保安法)違反容疑で拘束されていた祖国統一汎民族連合(汎民連)南側本部の李揆宰議長と李キョンウォン事務局長、崔ウナ政策委員長が十一月二十七日、七か月ぶりに保釈された。

 汎民連南側本部側の弁護人団が提出した通信秘密保護法の違憲法律審判請求が、裁判所で電撃的に受容されて保釈が許可されたもので、保安法裁判では異例の措置であり、汎民連南側本部と弁護人団は、「反人権的、超法規的な盗聴に警鐘を鳴らした歴史的な事件」と評価し、注目が集まっている。

 汎民連裁判では、李議長らが〇四年十一月から〇七年まで統一部の承認を受けて行ってきた汎民連南側本部の南北交流が、国家保安上の「指令授受」にあたるとされたが、李事務局長は、過去六年にわたって国家情報院(国情院)が電話・ファックス・インターネット回線を盗聴し、郵便物を検閲した事実を人権侵害だとして、拘置所から問題提起したことが、今回の措置につながった。

 ソウル中央地裁第二十五刑事部(ユン・ギョン部長判事)は、「この事件の法律条項は憲法第三十七条第二項に定めた過剰禁止原則に反し、被告人らの通信の秘密および私生活を過度に侵害し、憲法に違背するといにたる相当な疑心を有している」と判断した。

 国情院など捜査機関による盗聴について、多くの市民社会団体が憂慮していたが、その事実を確認する方法がないため有効に対応できなかった。今回の措置で、李明博政権下で無制限に行われてきた国情院の超法規的な捜査慣行に制動がかかり、通信秘密法の改定と関連して、捜査機関の無制限の盗聴状況を制限する根本的な措置を準備すべだきとの声も高まるとみられる。

 チョ・ヨンソン弁護士は「違憲決定がでれば主要容疑に対する証拠資料が無効となり、裁判の様相も大きく変わる可能性がある」「最善の場合には無罪さえも展望できる」と期待を表明。権五憲・民家協良心囚後援会名誉会長は「国家保安法だけでなくすべての公安事件に影響を及ぼすだろう」と評価した。

 保釈された李議長らは二十九日、釜山で開いた汎民連南側本部結成十九周年記念大会に参加、大会を盛り上げた。大会には全国各地から汎民連関連者をはじめ市民と学生がつめかけて「反統一悪法の国家保安法を撤廃しろ」「六・一五共同宣言と十・四宣言の旗を高く掲げ、自主統一の道に力強く前進しよう」などのスローガンをあげた。また、大会場には韓統連が送付した汎民連南側本部への弾圧を糾弾する声明と、在日同胞と良心的日本人からの激励メッセージが展示された。

 李政権下で再び猛威をふるっている保安法への審判は、現政権の反統一・民主性に対する厳しい審判となるだろう。


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