民族時報 第1173号(09.12.15)


【トップ記事】真実和解委が国家に勧告/金整司氏の「スパイ事件」拷問によるねつ造

     「韓統連への反国家団体規定を是正せよ」

 真実・和解のための過去事整理委員会(真実和解委員会・安ビョンウク委員長)は十一月十七日、朴正煕政権時代の一九七七年に起こった「在日留学生 金整司スパイ事件」に関して、治安当局が不法拘禁と過酷行為によって虚偽に自白させたでっち上げ事件であるとの決定通知書を発表し、金整司氏ら被害当事者や韓統連に通知してきた。韓統連は十二月九日、韓国政府当局による韓統連の自由往来権の侵害に抗議する記者会見を開き、発表した抗議文のなかでこの決定を画期的な内容だとして高く評価するとともに、政府が真実和解委員会の勧告を速やかに履行し、金整司氏ら被害当事者への名誉回復と韓統連への反国家団体規定の撤回を求めた。

 真実和解委員会は二〇〇六年十月二十三日、金整司氏の真実究明申請を受けて、約三年間、被害当事者や韓統連関係者、当時のマスコミ関係者への聞き取り調査や当時の公判記録、証拠物、新聞記事の再検討を総合的に実施、今回発表した。

 決定通知書によると、事件の概要について「申請人金整司と共同被告人の柳英数、柳成三、孫ジョンジャは在日同胞出身の留学生として一九七七年ごろ、……保安司令部(保安司)に検挙されて調査を受けた」「申請人らは国家保安法上のスパイ、鼓舞・称賛、会合・通信、潜入・脱出、緊急措置九号違反容疑で起訴され、一九七七年十月二十八日、ソウル地裁で金整司と柳英数は無期懲役、柳成三は懲役六年、孫ジョンジャは懲役三年、資格停止三年に執行猶予五年の刑をそれぞれ宣告され、……一九七八年六月十三日、最高裁で上告棄却、刑が確定して服役したが、一九七九年八月十五日、刑執行停止で釈放された」「保安司に連行されて調査を受ける間、長期間にわたる拘禁状態で保安司令部の捜査官らから殴打などの過酷行為を受け、在日韓国民主回復統一促進国民会議(韓民統)とは関係がないにもかかわらず、韓民統所属の在日指導員から指令を受け国内に潜入し、国家機密を探知・収集して報告したり、北韓に対して鼓舞・称賛したなどの虚偽事実を強要され、事件がねつ造された」ものと規定した。

 真実和解委員会は決定通知書の結論部分で同事件を治安当局によるでっち上げ事件と規定、李明博政権に@捜査機関が捜査過程で被疑者らに対して不法拘禁、拷問、暴行、脅迫を行い、事件をねつ造した点、検察は捜査過程の不法行為を黙認して捜査していない点などに対して、被害者に謝罪し和解するための適切な措置を取ることA違法な確定判決に対して被害者の被害と名誉を回復させるために、刑事訴訟法が定めたところにしたがって再審などの措置を取ることB具体的な反国家行為や容疑を明らかにすることなく、韓民統を反国家団体と規定した間違いを是正すること、を強く迫っている。

 今回の決定通知書は、国内外で大きな反響を呼び起こしており、反国家団体規定を口実に韓統連幹部らへの旅券発給制限など不当な弾圧を行う李明博政権を一層窮地に追い込むだろう。

 真実和解委員会は盧武鉉政権下の二〇〇五年十二月、日帝時代の強制連行や強制労働、韓国戦争前後の米軍や国軍の民間人虐殺や、解放以後の権力による人権じゅうりん、暴力、疑問死事件などを調査して隠ぺいされた真実を明らかにし、過去との和解を通して国民統合を図ることを目的にスタートした。委員数は十五名(国会選出八名、大統領指名四名、最高裁長官指名三名)で、全会一致で決める。

 李政権は十四ある過去事関連委員会を来年を期限に統廃合させる方針で、各界からの反発を受けている。


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