民族時報 第1155号(09.03.15)


【解説】与野党が激突を先延ばしへ/「社会的論議」後に6月決戦

    「MB悪法」制定策動、いまどの段階にあるか

 二月から始まった臨時国会は、MB(李明博)悪法をめぐって与野党がし烈な攻防を繰り広げながら、六十二件の法案を処理し、三月二日に閉会した。与党ハンナラ党が強行処理をはかっていた放送法、新聞法、インターネットテレビ法(IPTV)、情報通信網法(サイバー侮辱罪)など、言論関連の争点法案は、「社会的論議機構」を設置して六月十六日まで、百日間の論議を経たのち、六月の臨時国会で表決処理すると、与野党が合意した。結局、MB悪法の上程を阻むことはできず、ハンナラ党が意図したとおり表決処理に付されることになった。

 幸いにも、深刻な人権侵害条項との指摘があった国家情報院法、通信秘密保護法、不法集団行動に対する集団訴訟法、サイバー侮辱罪など、社会統制のための関連法案処理の時期と方法などは、今回の合意に含まれなかった。これらの法に対しては期限を定めず、与野党が合意して処理することにした。争点の法案をめぐり四月と六月の臨時国会で、与野党の攻防が繰り広げられる展望だ。ところで、メディア関連法案は、本当に「社会的論議機構」を通して民主的に処理されうるのだろうか。

 社会民主団体「言論悪法は社会的廃棄が必要」

 ハンナラ、民主、先進党は、メディア関連法に対する世論の収れんのための「社会的論議機構」として、総勢二十人の委員を推薦、国会の文化体育観光放送通信委員会の諮問機構として「メディア発展国民委員会」を設置、運営することにした。現役の国会議員など政治家の排除、運営の独立性の保障、委員会の論議結果を常任委員会の立法過程で最大限に反映するというのだ。しかし、「社会的合意機構は、メディア法に関してよい意見があれば文化体育観光放送通信委員会に建議、または質疑に答える機能を有する」(三日 朴?太・ハンナラ党代表)と明らかにしたように、単純な諮問機構に過ぎない。

 現在、ハンナラ党の議席数は、百七十一議席と過半数をこえている。国会議長の職権と多数の力で再び強行手段に出てきても、これを阻むことができる安全装置もない状況で、ハンナラ党の原案どおりに通過されるのが確実な状況だ。結局、時間的に引き延ばされただけだ。民主党が事実上、言論悪法を認定したものとして「野合」「屈服」という非難を受けるのは、当然と言えるだろう。民主労働党は、言論関係法の合意案を決して受け入れることはできないという姿勢だ。社会市民団体も「論議機構」を認定することはできず、「国民に対する背信であり、欺まん」行為(民生民主国民会議)だと憤怒している。

 さらに、与野党合意案には、財閥など少数特権層のための金融・産業分離の緩和(銀行法・金融持株会社法)、産業銀行の民営化(韓国政策金融公社法・産業銀行法)のための法律など、MB経済悪法を四月までに「協議、処理」するという内容も含まれており、事態は深刻だ。結局、メディア悪法の処理を遅らせる代わりに、民主党は経済悪法の処理を受け入れたのだ。したがって、ハンナラ党が強行処理を狙っていたMB経済悪法が国会で強行処理されると憂慮されている。

 またハンナラ党は、国民の反対ににもかかわらず、韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案も四月の臨時国会で必ず処理すると主張している。相手国の米国の貿易代表部(USTR)でさえ、韓米FTAの再交渉を主張しており、オバマ政権も自動車の輸出入と関連して公正貿易を示唆、これまでの交渉に否定的であるにもかかわらずだ。李明博政権とハンナラ党は、米国の意図とは関係なく、韓国国会でまず批准して米国を圧迫するというが、屈辱交渉と反対する国民の声は、初めから念頭にない。

 米国政府の内部で反対の動きがあるとはいえ、韓米FTAが強行処理されて実施される場合、農畜産業の農家が全滅するのはもちろん、わが民族の経済が、米国の植民地経済へと転落する可能性が高い。

 ハンナラ党「朝中東の総合編成チャンネル、譲歩できない」

 三月二日、汝矣島産業銀行前では、新聞、放送など言論関係者五百人が集まり、「MB悪法阻止、民主主義守護のためのキャンドル文化祭」が開かれた。彼らは、「国民合意のない与野党合意の破棄」を訴えた。言論人の激烈な反対運動からも明らかなように、李明博政権とハンナラ党の言論掌握の企図は露骨であり、深刻だ。特にハンナラ党は、言論関係法のうち、大企業の地上波放送の持株保有を源泉禁止できると言っているが、これは、より大きな「果実」を得るためだ。ハンナラ党は、「朝鮮日報、中央日報、東亜日報の地上波進出および大企業の報道・総合編成チャンネルへの進入許容は、絶対に譲歩できない」という立場を固守しているが、地上波を放棄しても総合編成を確保すれば、地上波進出以上の効果を得ることができるからだ。すなわち、大企業資本が総合編成に入っていけば、放送の商業化・保守化を招くのは火を見るより明らかだ。財閥と大企業に特恵を与え、政権の意図どおりに言論を左右できるという露骨な言論掌握だ。

 MB悪法の制定は、必ずや阻止しなければならない。再び全国民的なキャンドルデモが起こらなければ、ハンナラ党は心を入れ替えないのだろうか。

 (金明姫記者)


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