民族時報 第1155号(09.03.15)


【記事4】

    『朝鮮戦争の社会史』刊行記念シンポ開催

 聖公会大学の金東椿教授(真実・和解過去事件整理委員会常任委員)の著書「朝鮮戦争の社会史―避難・占領・虐殺」刊行記念シンポジウムが七日、都内で開かれ、金教授が講演した。四・三事件を考える会東京などが主催した。

 金教授は講演で、同書を執筆した動機や出版後の韓国社会の反応などについて言及しながら、日本の読者に対していまだ分断と戦争状態にある朝鮮半島の具体的な理解を求めた。そのうえで、同書で@朝鮮戦争を民衆の立場、被害者の観点から叙述することA当時の李承晩政権を分析することで、韓国の反共・保守主義の政治的根拠を明らかにすることB朝鮮戦争が日本の植民地支配体制の延長線にあり、朝鮮半島の悲劇は植民地支配の歴史から発生したこと―などに力点を置いたと述べた。

 金教授の講演を受けて、東京大学の和田春樹名誉教授が同書の意義について、津田塾大学の林哲教授が朝鮮戦争研究の現状と特徴についてそれぞれ発言し、同書の朝鮮戦争研究史上の意義を明らかにするとともに、朝鮮戦争に依存した日本の「戦後」をも鋭く問うものだと評価した。

 同書は十年前に韓国内で発行されたもので、今回平凡社から翻訳・出版した。

 一方、翌八日にも、京都市の立命館大学で同様のシンポジウムが行われた。


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