民族時報 第1151号(09.01.01)


【新年あいさつA】

    獄中より海外の同胞の皆さんへ

 呉宗烈(韓国進歩連帯常任代表) 

 韓国進歩連帯の呉宗烈常任代表は、キャンドル闘争と関連して八月から指名手配を受け、十一月十三日に拘束され、現在、ソウル拘置所に収監されている。今回、呉常任代表は、獄中から民族時報への新年辞を送ってくれた。

 海の向こう、いとおしい同胞のみなさんへ。

 崩れゆく新自由主義の世界化の地平線越しに、戊子年の旧年が過ぎ、進歩人類の希望をいだく、己丑年の新たな年が明けました。

 つらい一年を闘いぬいた同胞のみなさんに、敬意と感謝をこめて新年のあいさつを送ります。

 無限の競争、市場万能、無差別収奪の世界化を総指揮する多国籍資本と、それと結託した帝国主義権力の弊害から発生した津波が、罪のない勤労大衆と庶民に襲いかかっています。

 津波の被害が特定地域に集中するように、世界を強打した経済危機が、民族分断の苦痛をより深め、痛みをともなっていっそう私たちを抑えつけています。

 しかし私たちには、最悪を最善に変えていく民族固有の財産があります。

 数千、数万年の間、あらゆる災難やわざわいを克服し、外勢の侵略を打ち破った民衆主体、民族自主の生命力があります。新たな活路を開き、栄光と繁栄を切り開く六・一五共同宣言、十・四宣言の輝かしい旗があります。

 今は孤独な立場で、形勢は厳しいですが、同胞のみなさんが開拓してこられた畑の畝(うね)をともに踏み固め、ともに手をとりあって進めば、すべて解決するでしょう。

 私が獄中で冬を過ごすときには、遠方の友のように訪ねてくれる人がいます。

 小さなたんすの中にしまっておいて、そっと取り出す恋文があります。

 李陸史先生が詠(うた)われた「広野」です。

 今、監房の鉄窓の間から、舞い落ちる雪が白々と見えます。その雪を見ながら、詠います。

 

はるか遠い日/天がはじめて開け/どこで鶏の鳴く声が聞こえたろうか/あらゆる山脈が/海を恋慕しているときも/どうしてこの地を犯すことができただろうか/絶え間ない光陰を/かいがいしい季節が咲かせては散り/大きな川水がはじめて道を開いた/今 雪が降り/梅の花の香りだけが果てなく/私がここに貧しい歌の種をまこう/ふたたび千苦のあとに/白馬に乗ってやってくる超人あり/この広野で声の限り歌うだろう

 

 鉄格子をつかんだ手の甲に心地よく降る雪を見ながら、空に向かって詠います。

 しきりに詠います。そうすると気づきます。

 超人は誰でしょうか?メシアでも弥勒(みろく)でもない、目覚めた民衆、組織された民衆ではないでしょうか?

 民衆主体、民族自主で祖国統一、民衆解放の新たな世界を切り開く、目覚めた民衆の組織された隊伍ではないでしょうか?

 誇らしいその中心に、海の向こうで先頭を進む同胞のみなさんの姿が、目の前に鮮やかに浮かんでいます。

 出会いのその日まで、勝利のその日まで、どうかご健勝くださることを祈願します。

 二〇〇八年十二月


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