民族時報 第1141号(08.08.01)


【論説】日本、「紛争地域」化が目的/「李政権が口実」との批判

    独島問題が再燃 その背景と意味

 わが固有の領土である独島(日本名「竹島」)領有権問題と関連し、日本政府が公式的に挑戦状を突きつけた。文部科学省は、中学校の新学習指導要領の解説書を公表(七・一四)、独島が日本の領土だと主張する内容を記載し、韓日間に乱気流を巻き起こしている。

 学習指導要領の解説書は、小中高のそれぞれの過程で四年ごとに発行されるが、教科書検定の基準や教科書の記述、製作に実質的な影響力を及ぼす。もともとこの解説書は、二〇一二年に発行される教科書に反映されると報道されたが、文部科学省は前倒しにして来年から「竹島」教育を実施するよう、各地で開かれる学習指導要綱説明会などを通して教育現場に求める方針であることが明らかになった。独島問題と関連した韓国国民らの抗議に相対するという姿勢だ。現行の中学校の歴史と公民の教科書十四冊のうち、四冊が独島問題を記載しているが、この解説書の影響で今後、すべての教科書で独島問題が取り扱われる可能性があると指摘されている。

 独島問題と関連する日本の露骨な領有権侵奪意図、韓日両政府の対応を見てみる。

 日本の官房長官「韓国側に配慮した」

 新解説書は、独島をめぐって韓日の主張が異なるとしながら、「北方領土と同様にわが国の領土、領域に対して理解を深めさせることが必要」と記載した。当初、「わが国固有の領土」と記載する方針だったが、韓国側に配慮した(七・一四、町村官房長官)というのだ。

 しかし、日本が従来の主張を後退させた内容ではない。むしろ、日本が独島の領有権を主張することで、国際社会に領土紛争地域として浮上させるための意図が隠れているということを見過ごしてはならない。解説書では、北方四島に関して「ロシアに不法占拠され、返還を要求している」という記述を見ても、同じ次元で独島を紛争地域化しようとする意図を読み取ることができる。文部科学省が、学校現場では「日本固有の領土であり、韓国が不法占拠している」という政府の公式見解にしたがって指導することを望んでいる(七・一四、記者会見)という発言も、これを裏付けている。

 一方、李明博大統領は、駐日韓国大使を召還する一方、日本に対して断固とした厳重対応を指示した。日本に「フレンドリー」な姿勢を見せてきた李大統領ゆえに、強硬対応は異例だ。また国家安全保障会議(七・一八)を召集し、主要局の行政部、議会の独島表記調査および間違いの是正要求、韓中日共同歴史研究と共同教科書の製作を推進するとともに、独島の実効的支配を強化する方案を推進することにした。

 海軍と空軍、海洋警察が参加する独島防衛訓練は、今月末と十一月に独島近辺の海上で実施される予定だ。与野党の議員三十三人は、独島に対する韓国の実質的領有権を明記する「独島領有権宣布特別法」を発議した。社会市民団体も、日本が過去の歴史を反省することはおろか、再び朝鮮半島の領土侵略の野望を表していることに対し、強力に糾弾している。

 「求愛外交が物乞い外交に」

 しかし、李大統領と政府の強力対応方針にもかかわらず、国民と野党の視線はひたすら冷たい。李大統領が「実用主義」のもとで「未来指向的な韓日の新時代」を叫び、過去の歴史に背を向けてきたためだ。四月の韓日首脳会談を前後して、李大統領が「日本に謝罪、反省という言葉を使いたくない」「過去に縛られない」と主張し、駐日大使館のホームページから独島、歴史教科書の項目を一時削除するなど、李大統領の発言と姿勢が、日本が韓国を見下す口実を与えたという批判も強い。

 国会発言では「日本を相手に求愛外交をしようとして、ほほをぶたれただけの物乞い外交に過ぎなかった(自由先進党)」「独島問題などは、便宜主義に陥った間違った実用主義の代表的事例(民主党)」といった辛らつな批判を受けた。したがって、日本に対する強力な対処を指示したにもかかわらず、大統領に領土主権の意志があるのか疑われたのだ。また、対北関係、民生政策、長期間にわたるBSEの危険がある米国産牛肉輸入反対のキャンドルデモで政権支持率が地に落ちた状況で、ふたたび独島問題でキャンドルデモに飛び火することを避けるための対応策と見ることもできるだろう。

 独島は歴史的にも実効支配から見ても、厳然たるわが国固有の領土だ。独島問題は、日帝の朝鮮半島侵略と支配過程で起こった過去の歴史の問題であり、領土問題だ。日本軍「慰安婦」問題、教科書問題、独島領有権問題を論じないで、決して韓日新時代を創造することはできないのだ。

 李明博政権は、「失った十年間」を挽回するために、米国に国民の健康主権をゆだねる代わりに、二十一世紀の未来戦略同盟を、日本に過去を問わない代わりに未来志向的関係を設定し、対北関係を遮断してしまった。「国益にかかわる牛肉交渉、独島など領土主権問題に関する外交は、国内政治から独立的、長期的な観点から推進しなければならない」と、朴コニョン・カトリック大教授(七・一六付 ハンギョレ新聞)は指摘している。

 洞爺湖サミットでの韓日首脳会談で福田首相が、「竹島を書かざるをえない」と言うと、李大統領は、「今は困る。待って欲しい」(七・一五付 読売新聞)と言ったという報道が、誤報であることを願うばかりだ。

(金明姫記者)


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