民族時報 第1137号(08.06.01)


【論説】日本政府が足もと見透かす/李大統領の強い姿勢も不発

    独島問題が再燃へ「実用外交」の問題点

 「実用外交」を標ぼうして米日を歴訪、韓米―韓日首脳会談(四月十九日―二十一日)を行った李明博大統領がスタート百日にもならないうちに、大きな難関に直面している。 米国産牛肉輸入全面開放に反対する国民運動に続いて、独島(日本名は竹島)領有権問題が再燃した。

 日本の文部科学省は、中学校の新学習指導要領解説書に「竹島は日本固有の領土だ」と明記する方針であると、五月十八日付の各マスコミが報道した。独島問題は、牛海綿状脳症(BSE)の危険がある米国産牛肉の全面輸入開放に反対する全国民的なキャンドルデモによって動揺している李明博政権に、追い討ちをかける局面になった。 李大統領の「過去を問わない」などという過度に低姿勢の屈辱外交が、日本政府に口実を与え、歴史わい曲と領土の主権侵害となって現れ、挑発されているのだと、国民は憤怒している。

 文部科学省の学習指導要領解説書は、教師の授業指針であり、民間の出版社が教科書を編さんする参考資料となっている。文部科学省によると、教科書検定の基準として拘束力を持つのは「指導要領」だが、解説書も指導要領の解釈に関する記述には実質的な拘束力があるという。六月か七月に解説書が公表されるなら、二〇一二年の中学校教科書に「竹島は日本固有の領土」だと記述され、日本の中学生はわい曲された歴史を学習することになる。

 李大統領、強力対応を指示

 李大統領は文部科学省の方針と関連して、外交通商部長官に真相を確認し、事実なら是正を強く要求するよう指示した。「過去を問わない」という李大統領としては、異例な発言だ。外交通商部長官は、ただちに駐韓日本大使を呼んで「歴史的にも国際法的にも独島は韓国の領土だ」として抗議した。 しかし町村信孝官房長官は、現時点で教科書記述を決定したわけではないとしながらも、「竹島は日本固有の領土というのが、日本政府の一貫した主張であることは変わりがない」と一蹴した。

 日本政府のこうした歴史わい曲と問題の発生は、あらかじめ予想されていたことであり、李政権が自ら招いたことだ。韓日首脳会談で李大統領は「未来指向的な韓日の関係の確立」のため、韓日友好関係樹立のカギを握る独島領有権問題、日本軍「慰安婦」問題、歴史教科書問題など、過去の歴史問題を真に解決することを回避した。それだけでなく、日本の政治家の歴史わい曲妄言にも目をつむるとの発言さえした。

 権哲賢・駐日韓国大使は、李大統領が訪日に先立ち「過去に束縛されることも、小さなことを深く掘りさげることもするな」と指示し、「独島は韓国側の財布のなかにある宝石だ。できるだけ出さないように努力する」(四月十八日の駐日韓国人特派員懇談会)と述べた事実にも表れている。しかも韓日首脳会談に合わせて、駐日韓国大使館のホームページの独島、歴史教科書、東海(日本海)表記問題などをすべて削除したが、非難されて復元させた事実も明らかになった。

 李大統領は三・一節の記念演説でも「いつまでも過去に足をとられて足踏みしていられないではないか」と発言した。日本外務省の「竹島は日本固有の領土」とのホームページ上での主張に対しても、韓国政府は何の措置も取らなかった。

 徹底した過去の究明が未来をつくる

 韓日間の過去を問わないというのが李大統領の持論だ。 それでも外交チャンネルで強硬対応を指示した。これは世論の批判をかわすための手段に過ぎないと指摘されている。BSEの危険がある米国産牛肉の輸入全面開放に反対する全国民的なキャンドルデモで、「独裁政権退陣」「大統領弾劾」というスローガンがあがるほどになっており、民心の離反が加速しているうえに、独島問題でさらなる批判を招くのを避けようとしたという。

 李大統領の「未来指向的な韓日関係」宣言は、日本右翼勢力の大歓迎を受けた。歴史わい曲の絶好の機会を与えたからだ。しかし、韓日間の過去の歴史は、大統領の短い言葉で簡単にやり過ごせるような軽い懸案ではない。過去に日本帝国主義がわが国と、国民の利益を侵害し、取り返しのつかない傷を与えたことと深く結びついているからだ。そのため、徹底した過去の究明なしには、本当の韓日関係の明るい未来を構築することは不可能だ。

 独島領有権問題の深刻性は、新学習指導要領解説書に独島問題が記載されたという事実よりも、これを根拠として中学校の歴史教科書に「日本領土の竹島」と記載されることにある。わい曲された歴史を学習した日本人が増えることで、韓日関係は過去の歴史の泥沼から抜け出せなくなるだろう。

 国家と国民、民族の利益を最優先するのは大統領の使命だ。李大統領は歴史的にも、現実的にも、わが領土である独島の問題について、日本に対して毅(き)然とした姿勢で臨まなければならない。何よりも、教科書への誤った記載を必ず阻止しなければならない。

(金明姫記者)


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