民族時報 第1137号(08.06.01)


【トップ記事】連日街頭デモ 国民の声無視 強硬対応に強く反発

    反BSEが反政府の段階へ

街頭を埋め尽くす5万人のキャンドルデモ(5・29 ソウル)

 五月初めから続いている牛海綿状脳症(BSE)の危険がある米国産牛肉の全面輸入開放に反対する全国民的なキャンドルデモがますます激しさを増し、沈静化する兆しが見えていない。ソウルでのキャンドル文化祭とデモは二十八日までに二十一回を数え、最大五万人、平均して約五千人が連日、結集している。また、釜山、大邱などの主要都市や地方でもキャンドル文化祭が開催されている。二十二日に李明博大統領が「申し訳なく思う」と国民へ談話を発表した後にも、「申し訳ないなら、再交渉を」との声が一層高まった。それに加えて李大統領の大統領選挙公約だった大運河構想の撤回を求め、経済政策の失敗などを追及する声が高まった。二十四日以後は、キャンドル文化祭の参加者が徹夜で座り込みとソウル中心部のデモ行進を連日展開するなど、李政権への批判は日ごとに高まっている。(三面に関連記事)

 李明博大統領は五月二十二日、国民への談話で「政府が国民に十分な理解を求め、意見を収れんする努力が足りなかった。申し訳なく思う」としながらも、一方で韓米自由貿易協定(FTA)批准を強く求めた。各マスコミは「謝罪」しながらも具体策は無く、国民の要求である再交渉に一切言及しないどころか、逆に韓米FTAの批准だけを求めたと批判的に論評した。

 李大統領の国民への談話が出された二十二日午後には、汝矣島で約一万五千人が参加する農民大会が開かれ、農民らも夜の第十五回キャンドル文化祭に合流して、約五千人が韓米FTA反対、米国産牛肉の全面輸入開放のキャンドルをともした。

 二十四日には全国約百地域でキャンドル文化祭が行われ、ソウルでは清渓広場に約五万人が参加して第十七回キャンドル文化祭を行った。ここには同日午後、汝矣島で民主労総が開いた「公共部門民営化反対」集会に参加した約四万人の公共部門労働者の一部も合流して、一連のキャンドル文化祭で最大の動員となった。参加者らは文化祭の閉会が宣言されたあと、徹夜で座り込みを行う一方、数千人の市民が街頭デモを展開して「再交渉」「大統領弾劾」などのスローガンを叫んだ。この過程で多数の市民が警察に連行された。

 キャンドル文化祭とその後の街頭デモは二十五日、二十六日、二十七日にも約五千人から一万人規模の市民が参加して継続され、BSEの危険がある米国産牛肉の全面輸入開放問題は、新たな局面を迎えたと指摘されている。

 警察は二十八日までに二百十一人を連行し、「不法デモ」をせん動したとして、BSE対策国民会議などの幹部十人に召喚状を発布した。

 国内では、李政権の国民を無視した拙速な対応がこうした事態を招いたと指摘されており、政府の強硬対応は事態打開の出口をみずからふさぐものだとの非難の声があがっている。


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