民族時報 第1133号(08.04.01)


【主張】

    制裁解除で対話の機運を

 日本政府の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対する制裁措置の期限が十三日に迫っている。われわれはこれを機に、日本政府が制裁措置を全面解除するよう強く求める。

 制裁措置は〇六年の七月と十月に北朝鮮が行ったミサイル発射実験と核実験に対するもので、北朝鮮からの船舶の全面入港禁止や輸出入の禁止措置などとなっている。朝日間の人とモノの接触と交流をほとんど全面的に制限するものだ。このため北朝鮮の貨客船の「万景峰九二」号も日本への寄港が禁止され、在日同胞の祖国往来が大きな困難に直面している。

 ところで、二年前の北朝鮮の一連の行動は、朝鮮半島の非核化のための六者協議が〇五年の「九・一九共同声明」で、「約束対約束、行動対行動」の原則で平和的に解決していくことに合意したにも関わらず、その直後から米国が北朝鮮に対して金融制裁を課し、日本も拉致事件を前面に持ち出して圧力を強めたことへの「超強硬対抗措置」だと北朝鮮側は主張した。

 このような経験から結局、圧力や制裁では対立と緊張がエスカレートするばかりで、問題の解決には何の役にもたたないことは明らかになっている。したがって、当時の安倍政権がとった制裁措置は、緊張を激化させただけで、完全な失政だったといえる。これを教訓に、福田政権は同じ過ちをくりかえしてほしくない。粘り強い対話と交渉だけが問題解決につながることをもう一度強調したい。

 日本も参加している六者協議の合意のもと、制裁を発動した二年前とは異なり、朝鮮半島の情勢は平和に向かっている。北朝鮮に対する国連の制裁措置はすでに有名無実化し、日本以外の米国をはじめ六者協議に参加する各国は、合意に基づいてエネルギー支援を行っている。日本の北朝鮮に対する敵対政策だけが突出しており、日本は六者協議の順調な進行と朝鮮半島の非核化を妨害しているのではないかという批判が内外で高まっている。日本政府は北朝鮮に対しては「対話と圧力」の両方が重要だと強調するが、実際には「圧力」を行使した敵視政策だけで、「対話」の姿勢と実績はいまだに見えてこない。それだけではない。この間、日本政府は北朝鮮に対する敵視政策の一環として、朝鮮総連と在日同胞に対する政治弾圧を続発させている。

 日本政府は、いまこそ朝鮮半島政策を是正すべきだ。その指針は六年前に発表された「朝日ピョンヤン宣言」に示されている。宣言は、朝日間の問題を包括的に解決して国交正常化を実現しようと明らかにしている。対話の雰囲気を高めるために、まず制裁を解除しなければならない。相手に突きつけたナイフを収めて対話のテーブルにつくことだ。とくに在日同胞への人権弾圧をやめることだ。人道的な観点から日本政府は、「万景峰九二」号の寄港を許可し在日同胞の祖国往来権を保障することを優先すべきだ。

 福田首相は就任時、「北朝鮮問題の解決」を掲げた。その第一歩は制裁の解除である。福田首相にわれわれは制裁解除の英断を切に求めるところである。


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