民族時報 第1133号(08.04.01)


【トップ記事】非核化と正常化へ進展直前か/核申告と指定解除、「同時行動」の実践が鍵

    朝米がジュネーブで会談

 「核計画の申告―テロ支援国家指定解除」をめぐって、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と米国は三月十三日、スイスのジュネーブで会談を行った。しかし、それ以後、この問題に関連する朝米および関係国の動きは表面化していない。ジュネーブではなにが話されたのか。また、朝米交渉と朝鮮半島非核化のための六者協議停滞の理由はなにか。今後の展望はどうかについて整理する。

 北京オリンピックを控えた中国は、朝鮮半島情勢の安定を求めており、積極的に朝米仲介に乗り出した。米国に対して一九七二年二月の「上海コミュニケ」(共同声明)を参考に、核計画に関する朝米双方の主張を併記して文書化することを、二月二十六日に訪中したライス米国務長官に胡錦濤・中国国家主席が提案し、米側の関心を引いた。

 ライス長官に同行していた六者協議・米側首席代表のヒル国務次官補は三月一日、北朝鮮側の首席代表の金桂寛外務次官と会談しようとしたが、韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」が行われていたことが障害になり、実現しなかった。

 金次官とヒル次官補は十三日、ジュネーブの両国大使館を行き来して、八時間にもおよぶマラソン会談を行った。韓国の連合ニュースは、「非核化第二段階合意の完全な履行を終え、核廃棄と朝米関係正常化を骨子とする第三段階に進む問題を協議した」と報じた。

 北朝鮮の金次官は、「米側との見解差が縮まった」と述べ、今回の会談について「満足だった」と評価した。また、「われわれは義務を履行する。米国も義務を果すべきだ」と注文した。

 米国のヒル次官補も「核申告の形式と内容などすべての側面で実質的かつ有用な協議ができた」と述べた。また、「テロ支援国指定解除」をどのタイミングで行うかを議論したことを明らかにした。

 つまり、ジュネーブ会談では相当な進展があったが、両国いずれかの最高位級での政治決断がなされていないために、再度のこう着状態に陥ったとみることができる。

 その原因は、北朝鮮の高濃縮ウラン問題と、シリアへの核拡散疑惑にあると報道されているが、北朝鮮は年初に、二つの疑惑を外務省声明で強く否定した。米側がこれに固執し続けるなら、交渉は決裂するしかない。その一方で、核放棄の見返りとしてのエネルギー支援の遅延があり、米側の北朝鮮に対する「テロ支援国家指定解除」が行われていない問題がある。

 ヒル次官補は二十五日、ワシントン市内で講演し、「今後、数週間が重要局面になる可能性がある」と述べ、「ニューヨークの北朝鮮国連代表部を窓口に朝米両国が交渉を続け、多くを討議した」と明らかにした。ヒル次官補は講演に先立つ十九日、北朝鮮の核施設無能力化などの見返りとして米国が提供する重油の第二次搬送分、五万四千トンが最近、北朝鮮に到着したことを明らかにした。

 朝鮮半島の非核化、朝米の関係正常化は、依然として急進展する直前にあるといえるだろう。


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