民族時報 第1119号(07.08.15)


【解説】与党、統合で候補推たいがカギ/進歩、大衆運動で第3勢力へ

    韓国大統領選挙―与党、進歩陣営の動き

 激烈なひぼう中傷合戦まで繰りひろげながら野党ハンナラ党は、李明博氏と朴槿恵氏が、党の大統領候補となるためにしのぎを削っている。それに比べ与党系は、本命候補者の不在などによって、出遅れの感が否めなかったが、ようやく統合の動きが具体化してきた。

 与党系勢力の統合政党を目指す「大統合民主新党」(民主新党)が五日、ソウルのオリンピックホールで代議員約六千人が参加して結党大会を開き、ハンナラ党(百二十九議席)に次ぐ八十五議席の院内第二党として正式にスタートした。党代表には市民運動出身の呉忠一氏が選出された。

 呉代表は「民主平和勢力と市民社会勢力が新たな未来を創造する勢力として誕生した。民主党とウリ党との協議を通じ、大統合を必ず完遂する」と就任あいさつを述べた。

 同党は、中道統合民主党の大統合派とウリ党離党グループ、孫鶴圭・前京畿道知事が関与する先進平和連帯、市民社会団体系の未来創造連帯など四団体が七月二十四日、「未来創造大統合民主新党」準備委員会を発足させ、正式発足作業を継続してきた。

 

 

 民主新党にはウリ党からの既存離党グループ四十五人(金槿泰・前ウリ党議長ら大統合推進の集い四十四人と千正倍議員)、ウリ党追加離党グループ十五人、統合民主党の大統合派二十五人の議員が参加した。統合民主党の離党議員のなかには、金大中前大統領の次男・金弘業議員が含まれ、また、統合民主党の朴ジュンヨン・全羅南道知事、朴グァンテ・光州市長、ウリ党からは金完柱・全羅北道知事が合流した。これには与党系の統合をうながす金大中前大統領の強い意向があると指摘されている。しかし、金前大統領と盧武鉉大統領の主導権争いを背景に、結党大会直前まで親盧系の排除を合流の条件とする統合民主党と、全党での合流を求めるウリ党が対立して、与党系の総結集とはならなかった。

 民主新党は、@庶民と中産層の政党として社会両極化の緩和A活力ある経済正義の具現B地域主義の排撃と全国政党を指向C社会経済的な民主主義の達成D包容政策の継承――を掲げた。

 与党系で次期大統領選挙に出馬表明した、孫鶴圭・京畿道前知事、鄭東泳・元統一相、千正倍・前法相が民主新党に参加した。一方、ウリ党の李ヘチャン・元首相、韓明淑・前首相は民主新党結成に前向きな姿勢を見せていたが、今回は参加を見送った。ウリ党が合流するかどうかは、盧大統領の意向も影響するようだ。

 進歩陣営の大統領選挙に向けた動きにも拍車がかかっている。

 三度目の挑戦となる権永吉議員、ち密な政策通で知られる魯会燦議員、女性闘士としての実績が高い沈サンジョン議員による民主労働党の大統領候補レースは、七月二十二日の合同演説会を皮切りに本格化した。

 権氏は、平和をつくる大統領、不当労働行為を行った人を監獄に入れて処断する時代をつくるとし、「権永吉が最初の進歩大統領になって、保守の世の中を終わらせる」と主張している。

 魯氏は、大統領選挙に突風を起こして三強に進入するのか、一けた台の支持率に転落して危機に陥るかという岐路に立っているとして、「民主労働党の過去は権永吉、現在は魯会燦、未来は沈サンジョンだ」と主張した。

 沈氏は、李明博氏が大企業の社長のとき自分は九老工団の労働者だった。朴槿恵氏がファーストレディになったとき、自分は九老工団のミシン工になったとし、李氏に勝つには経済に強い自分が出馬すべきで、女性大統領候補の朴氏に対抗できるのは自分以外にないと主張した。

 民主労働党大統領選挙レースは権氏と魯氏が競り合い、沈氏が追う形で展開されている。

 民主労働党は八月十九日まで選挙戦を行ない、二十日の済州を皮切りに、九月九日まで二十一日間、十一地域で五日ずつの投票を行う。三候補のうちだれも過半数の得票者が出ない場合、五日間の決選投票をへて、九月十五日に候補が決定される。

 在野の韓国進歩連帯(準)は九月十六日の本組織出帆後、「大統領選挙共同闘争本部」を広域、市郡区単位で組織する計画を立てている。共同闘争本部は「〇七年大統領選挙十大課題」を各候補に提出して、それに対する立場を問い、これを大衆的に選択の根拠としていくなどの活動を計画している。

 共同闘争本部は韓米FTA阻止、国家保安法廃止など、平和問題、非正規職および格差解消など民衆の要求を全面的に争点化して、十一月の民衆総決起闘争を展開していくことに力点をおいている。

 朝米関係が、早ければ二年後には国交正常化にまで変化する展望さえ浮上しているなかで行われる今年の大統領選挙。進歩陣営の課題は、米国の支配と干渉を排除して、自主・民主・統一を実現する自主的民主政府樹立の土台を堅固にすることだ。また、〇八年国会議員選挙で最低でも院内交渉団体の地位を民主労働党で確保する基盤を固めることでもある。このため、候補の選出は全進歩陣営の団結のもとに行われなければならない。韓国進歩連帯は、連続的な自主統一運動、韓米FTA反対闘争、米軍基地移転阻止闘争、非正規職の生存権闘争などの大衆闘争を展開して、勝利の展望を民衆に与えることが期待されている。

(高雄埴記者)


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