民族時報 第1119号(07.08.15)


【主張】

    安倍政権は政策転換を

 七月二十九日に行われた日本の参議院選挙で、自民党は歴史的な大敗を喫した。その理由は、年金問題などの内政面の失政だけでなく、安倍政権の歴史問題に対する間違った態度と強硬な対北朝鮮政策の行き詰まりにもある。

 安倍政権は過去のどの政権よりも過去の歴史問題を後退させた。その象徴として安倍首相は、日本軍「慰安婦」は強制によるものではなかったと国会で公言した。また安倍氏は首相就任前から北朝鮮による拉致問題を重視し、就任後には制裁措置の発動など北朝鮮に対する敵視政策を進めてきた。このような首相の歴史認識、ひいては対北朝鮮強硬政策が保守層から一定の支持を受けたことで、安倍氏が首相の座を射止めることになった。閣僚経験もない中堅の政治家の彼が一躍注目を集めるようになったのは、北朝鮮への強硬姿勢だったのである。

 しかし、安倍政権の歴史認識問題と対北強硬路線は早々に限界を見せた。参議院選挙に配慮して、採択を先延ばしにしていた、米下院の日本政府に公式的謝罪を求める「慰安婦」決議案は七月三十日、満場一致で採択された。アジア諸国のみならず、最大の同盟国である米国からも安倍政権の歴史問題に対する態度が拒否されたことになる。

 また、安倍政権の強硬一辺倒の対北朝鮮政策も限界を露呈している。安倍政権は「拉致問題の解決」を朝日関係の改善の前提条件にしてきた。しかし、七月中旬に開かれた六者協議首席代表会議は、北朝鮮による核施設の稼動停止を歓迎し、朝鮮半島の非核化実現へと事態は大きく動こうとしている。米国が北朝鮮に対する金融制裁を解除して以降、朝米関係は一気に改善へと進み、朝米正常化への大勢は揺るがないように見える。こうした事態の好転に、拉致事件のみにこだわる安倍政権は貢献するどころか、制裁に固執する「抵抗勢力」としてふるまった。

 これからも安倍政権が拉致問題だけを突出させるならば、日本は国際社会で致命的な孤立を免れないだろう。六者協議に参加している韓国、中国、ロシアは一貫して北朝鮮との友好関係を築くために努力してきた。ここに米国が、対北政策を「圧迫」から「関与」へと転換し、対話路線を確定的なものにした。いまや日本だけが北朝鮮に対する敵視政策に固執している状態が浮き彫りになっており、六者協議で孤立している現状は明白になっている。

 われわれは日本政府に対北朝鮮政策の大胆な転換を提言したい。まず日本政府は敵視政策からの転換を示すために、制裁を解除するとともに朝鮮総連に対する政治弾圧を即刻中止することだ。次に、「朝日ピョンヤン宣言」に基づいて早急に国交交渉を開始することである。過去の清算問題を基本にしながら、拉致問題を含む朝日双方が提起する懸案問題を率直に協議するようにしなければならない。

 朝米関係の変化に見合う大胆な政策転換を日本政府が行うなら、日本は六者協議において重要な一翼を担うと同時に、北東アジアの平和実現のイニシアチブを発揮できるようになるだろう。


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