民族時報 第1103号(06.12.01)


【投稿】祖国と民族を全身で感じる/西大門刑場で愛国者に祈り

    COREA青年フェスタ民族学校に参加して

朴明哲(韓青東京本部委員長) 

 在日韓国青年同盟東京本部(韓青東京)は、この間の訪韓事業で親交を深めてきた韓国の青年統一文化センター、ソウル青年団体協議会とともに、十一月十七日から十九日の二泊三日で「第一回民族文化学校COREA青年フェスタ二〇〇六」(民族学校)を開催した。

 今回の民族学校は、同胞青年を対象に、われわれのルーツである祖国・韓国の史跡や有名な観光スポットを訪ね、「肌で祖国と民族を感じ、民族的アイデンティティをつちかう」ことを目的とした。まさに、韓国の民主化と祖国の統一のために闘う韓青が、韓国と日本を堂々と自由往来できる時代をかち取ったがゆえに実現できた企画だといえる。

 期間中、われわれは景福宮や西大門刑務所記念館、三・一独立運動発祥地であるタプコル公園を見学し、歴史講演会に耳を傾けた。また、ソウルタワーや整備された清渓川などソウルの名所を楽しく散策しながら、祖国と民族を満喫し、そして考え直す機会となった。そのなかでも特に印象的だったのは、韓国の近現代史がつまった歴史紀行と、国内青年のわれわれに対する心温まる愛情だった。

 初日に訪問した景福宮では、いまもその威容を放つ数々の宮殿や史跡、美しい建築美を見ながら、わが民族の悠久の歴史と文化に感動し、圧倒されるばかりだった。しかし、一方で、ここにいることに心苦しい思いを禁じえなかった。なぜなら、ここが史上類例のない閔妃暗殺事件の現場であり、朝鮮総督府が立てられていた場所だったからだ。わたしは当時の写真や資料を手に、総督府の跡地に立ったとき、そして閔妃暗殺現場に近づいたとき、何ともいえぬ胸の高鳴りを覚えた。

 「なぜあのようなことが起こったのか……」

 当時の情景を思い浮かべながら、一歩一歩宮内を見て回った。

 もっと衝撃を受けたのは西大門刑務所歴史館だった。この刑務所には植民地時代、数多くの独立運動家が投獄され、拷問を受け、処刑された。解放後も民主化運動家や無実の人々が投獄された場所でもある。いまは日本帝国主義の暴虐な支配を伝える貴重な資料館として開放されている。ここで参加者全員が厳粛な気持ちになった。いまも残る独房や拷問施設、そして多くの独立運動家が処刑された死刑場は、決して言葉を発せずとも、わたしたちに当時の過酷な所内の様子を伝えていた。

 これを見ながらわたしは考えた。「日本は朝鮮によいこともした」「日本ほど人間的な植民地政策をした国はない」と発言する日本の政治家が多数いる。彼らは一度、この刑務所を訪れるべきだ。そして、国を思い闘った独立運動家が刑場の露と消えた死刑台を前にして、同じことを口にできるのか、と。わたしは悲しみと怒りを抑えることができなかった。

 今回、もう一つ印象的だったのが、民族学校を準備してくれた国内の先生方、友人たちの愛情だ。宿舎をはじめ、生活全般に細かな配慮をしてくれただけでなく、史跡でのていねいで情熱にあふれたガイドは、参加者の胸に強く響いた。同時に「韓青は国内の青年たちと同じ歴史を共有しているんだ」という、いままでにない親近感を感じることもできた。

 国内青年との交流会で、韓青東京の活動の様子を伝えるアンサンブルを披露しながら、これまで会えなかった時間を埋めるかのように交流を深めた。

 本当に国内のみんなには感謝しつくしても足りないほどだと思う。ありがとうございました。

 わたしは今回の民族学校を通じて、一般のツアーでは決して感じることのできない祖国と民族の息吹を感じることができた。わたし自身、初めて目にするものが多く、「祖国とは?民族とは?」を改めて考えさせられた。だからわたしは、今回の経験を自身の内部に完結させるのではなく、一人でも多くの同胞青年に伝えたいと思う。また、日本に「檻(おり)」に閉じ込められて、正しく歴史と文化を学べない同胞青年に、本当の祖国、民族との出会いをつくるのが韓青の使命だと考えている。これからも民族学校を継続、発展させて、祖国と在日同胞の架け橋になれるよう頑張りたい。


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