民族時報 第1103号(06.12.01)


【主張】

    政府補助金不正の責任を糾す

 民団中央本部が、政府補助金執行内容を虚偽報告するなど、内部腐敗の深刻な実態が国会の国政監査で明らかになった。

 本国の外交通商部、駐日大使館、在外同胞財団は八月末、民団に対する政府補助金の使用実態を点検し、補助金の支援規模と方法について再検討する目的で、共同監査を行い、九月に「在日民団指導監査結果報告書」(報告書)を明らかにした。この監査の主な対象は、二〇〇二年から五年までの四年間、金宰淑団長時代の中央本部の補助金執行実績だ。

 報告書には、幹部役員による実質的な公金横領ともいえる腐敗の実態が生々しく列挙されている。「民団高位幹部の道徳的弛緩(しかん)」と題された項目では、民団規約上給与の支給ができない非常勤の三機関長に対して、毎月、活動費名目で中央団長に七十万円、監察委員長に四十万円、議長に三十万円、常任顧問二人に顧問厚生費名目で毎月二十万円を支給。また、首席副団長は総務局長職を兼任して毎月五十万円以上の給与を受領。金宰淑元団長は、自らの選挙運動で参謀を務めた人物を非常勤職員(企画調整室長)に任命して毎月の給与を支給し、それ以外にも年間約四百万円もの活動費を支給。〇三年度には、日本の首相級閣僚が使用する最高級車を(団長専用車両として)一千二百万円で購入するなど、その乱脈ぶりにはあ然とするばかりだ。また、異常に多い本国出張についても指摘されており、年間数十回に及ぶ出張では、その都度、十数万円の出張手当が支給されてきたといわれている。

 中央幹部らが政府補助金を食い物にしてきた実態の一部が、今回初めて明らかにされたことになる。

 当時からすでに、民団組織(とくに地方)の財政状況のひっ迫ぶりが指摘されており、政府補助金減額に対する危機意識が組織内で議論されていたにもかかわらず、この実態である。また、最重要事業として推進してきたはずの地方参政権獲得事業には、補助金のわずか二、三%程度しか執行していなかったことも明らかになった。

 今回明らかになった民団中央本部の腐敗の実態は、決して民団の組織問題にとどまるものではない。国民の血税から支出される本国政府補助金は公金であり、公金の不正流用や乱脈に関しては、支給した側と受領した側の双方に社会的責任があるからである。

 領事業務を代行するなど準公的機関と自称してきた民団中央本部は、今回の事態について在日同胞と本国同胞に対して責任の所在を明らかにすべきだろう。本来ならば、背任事件として刑事責任を追及されてもおかしくないような犯罪的な行為だ。少なくとも、今回の監査で問題を指摘されながら、現執行部に幹部として登用されている人物は、当然、辞任すべきである。

 約七百万人の在外同胞のうち、在日同胞は約六十万人にのぼるが、民団に対する政府補助金は、全在外同胞団体への補助金全体の四五%を占め、支援金額は他を圧倒している。七八年以降、毎年、約八億円から十億円程度の補助金が二十数年にわたって民団中央に支給されており、今回の監査実態からして、これまで、どれほどの不正が行われてきたか想像を絶する。

 民団中央本部の腐敗実態は、国内外同胞から厳しく指弾されている。まずは、現民団中央本部(鄭進団長)の自浄努力に期待したい。


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