民族時報 第1042号(04.08.11)


【論説】究明法の改正は国民の意思

    まな板にのった親日派の清算問題

 親日派の真相究明が本格化している。解放後、半世紀を超える時間が経過したにもかかわらず、民族の尊厳と自主・民主・統一の障害になってきた日本帝国主義(日帝)残しの清算問題は、第十六代国会での解決の帰すうに注目が集まった。しかし、ようやく通過した「日帝支配下の親日反民族行為真相究明特別法案」(親日究明法案)は、必死に既得権を維持しようとするハンナラ党など保守勢力の強い反対にあうことになった。基本的に、大部分の反民族行為者らがすり抜けられるように原案が改悪され、調査対象が大幅に狭められることで事実上、親日派の調査が不可能になった。     

 真の過去清算を願う市民団体など国民の意思を結集して七月十四日、親日反民族行為真相究明法改正案が開かれたわが党(ウリ党)と民主労働党を中心にした与野党議員百七十二人の発議で、国会に提出された。半世紀ぶりに初めて親日派の真相究明がなされるかどうかに、国民の関心が集まっている。

調査範囲拡大の改正案

 改正案は、日本軍親日反民族行為者調査対象を中佐以上から少尉以上に、文官は郡守(町長に相当)以上、警察は警部補以上に拡大した。また皇民化運動を主導した親日容疑の調査対象を「中央の文化機関および団体」との抽象的な範囲から「文化、芸術、言論、教育、学術、宗教など社会各部門」へと拡大して、韓国社会のいたる所に根深く残っている日帝残しを一掃しようとする意志を見せた。

 ところが、反民族行為の調査対象者の範囲問題に対して、ハンナラ党や保守マスコミが強く反発している。争点になっているのが、まさに軍隊の階級と言論に関する問題だ。調査対象を少尉に拡大し、マスコミを明示したのは、朴正煕前大統領と朝鮮日報、東亜日報をねらった政略的なものだというのだ。しかし日本軍将校(少尉)だった朴正煕大統領の親日行為の究明を避けるなら、本当の過去清算はできない。五・一六クーデター主導勢力は、日本軍将校だった朴正煕をはじめ親日の経歴があり、彼らが国家の要職を独占して韓国軍を掌握してきたとの厳然たる歴史が存在する。彼らによって国民は過酷な弾圧を受けなければならなかった。調査対象を中佐以上に限定する場合、対象範囲は十人内外に過ぎず、真相究明はおぼつかなくなる。少尉以上に拡大すれば約二百人に増える。彼らに対する調査が行われれば、真相に迫ることができるだろう。

 一方、日帝治下のマスコミの役割も無視できないほどに大きかった。朝鮮日報、東亜日報は一時期民族紙としての役割を果たしたこともあった。しかし天皇を称賛して日帝の侵略政策に協力・支援するなど、反民族行為をためらわなかった。そんな歴史を持った朝鮮日報と東亜日報が改正案は政略的だと批判するのは、過去清算それ自体を妨害しようとするものにほかならない。

 他方、ウリ党は日帝から爵位を受けたり、乙巳保護条約(第二次韓日協約、一九〇五年)と丁未七条約(第三次韓日協約、一九〇七年)の締結を主唱したりした大臣ら、高位公職者として勤務した経歴がある親日反民族行為者の財産と、彼らから相続・贈与を受けた財産を国家が接収できるようにする「親日反民族行為者財産接収特別法」(親日財産接収法)の制定も推進することにした。乙巳五賊など反民族行為者の子孫の財産返還訴訟が相次いで勝訴したこともあり、彼らの財産保護を拒否する法的根拠を準備する意味で、その意義はとても大きいといえる。

「戦争宣布」する朴代表

 ところがハンナラ党の朴槿恵代表は「親日真相究明法改正案は途方もない意図から作られた法だ」としながら、「野党弾圧であると同時に政治報復であり、言論弾圧」「スパイでさえ民主闘士に仕立てあげるのに、親日派をでっち上げるのは朝飯前だ」「亡くなった方々と争うというのか」と述べながら、改正案に絶対反対する姿勢だ。大統領直属の不審死真相究明委員会による非転向長期囚に対する民主化寄与認定などを取り上げて「国家のアイデンティティーを揺るがすなら全面戦争に出る」としながら、過去清算を免れようときゅうきゅうとしている。

 親日派清算問題は、どこかの党の政略的な問題にできない全国民的な課題だ。日帝治下の反民族行為を究明するために一九四八年八月に設置された「反民族行為特別委員会」(反民特委)が、李承晩政権の警察による強制解散で腰くだけになってから半世紀以上が経過した。その間、過去清算が行われないことによって、国民は軍事独裁政権下でさまざまな弾圧を受けてきた。今回の改正案は、このような誤った歴史を正そうとする国民の強い意志が込められていることを知らなければならない。

 国民の過去清算を願う意志がどれほど強いかは、五月に政府が親日派人名辞典の編さん事業予算支援を中断すると、あっという間に六億ウォンの寄付が集まったことを見てもわかるだろう。ハンナラ党は同法案が施行されてもないのに改正案を持ち出して与野政争をしようとしていると非難している。しかし、施行される以前でも誤った法を改めるのは当然のことだ。そのうえ、それが歴史を正して民族史の基礎を堅めるものならなおさらである。親日派が温存されることで、われわれは民族分断と軍事統治に苦しまなければならなかった。親日真相を究明することこそ、民族の尊厳と大韓民国のアイデンティティーを守ることだと言うことができる。  (金明姫記者)


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