民族時報 第1042号(04.08.11)


【焦点】韓国政府、一貫した対応必要

    足踏みする南北関係

 三日からソウルで開催することで合意していた第十五回南北閣僚級会談が延期になった。二日、韓国統一部の金弘宰スポークスマンは「北から事前連絡がなく、開催は難しくなった」と発表した。

 北側は延期の具体的な理由を明らかにしていないが、韓国の民間団体が七月八日の故金日成主席十周忌式典への参加を希望していたが、韓国政府がこれを許可しなかったことや、四百六十八人という大量の脱北者を同二十七日、二十八日に韓国政府が受け入れたことが背景にあると見られている。

 脱北者の大量入国に関して統一連帯は二十八日に発表した声明で、「脱北者問題は米国の長年の経済封鎖と軍事的脅威によってもたらされたもので、これを解決するための根本的な方途は、米国が北朝鮮に対する総体的な圧迫と敵視政策を撤回して、国交正常化に乗り出すことから始まる」と指摘し、政府を厳しく批判した。

 また、北の祖国平和統一委員会スポークスマンは二十九日に発表した声明で、これは南当局の組織的で計画的な誘引・拉致行為であり、白昼テロ犯罪であると指摘し、「この犯罪は、北南関係と祖国統一問題を民族同士で自主的に解決すると公約した六・一五共同宣言に対する全面違反、挑戦だ」と強調した。

 「八・一五南北統一共同行事」の南北実務接触は、七月二十四日から二十六日まで金剛山で行われたが、不調に終わり合意に至らなかった。北側代表団は、韓国政府が汎民連と韓総連に対して「六・一五わが民族大会」への参加を不許可にした問題と、金主席十周忌式典への参加を不許可にした問題を挙げながら、韓国政府の姿勢をただしていた。南側代表団からは「韓国政府は北の条件と立場をもっと考慮すべきだ」との声も上がっていた。

 南側の同行事推進委員会は、継続協議するために四日に訪北を計画していたが、北側は延期を通告してきたため、今年の八・一五大会は南北・海外分散開催が決定的となった。

 こうした北朝鮮の動きについて、統一部の一部には、鄭東泳・統一部長官が就任して以来初の閣僚級会談になるため、「新統一部長官に存在感をアピールし、どう対応するのかを見定めるねらいもあるのではないか」とする見方もある。

 政府としては「南北協力は、後戻りできない段階に入っている、南北対話の本格的な断絶はない」と分析しており、こう着状態は短期的なものにとどまると楽観している。

 しかし、一方では政府の対応が一貫性を欠いているとの指摘もある。これはイラク派兵問題にも通じる問題で、自国民より韓米同盟、南北関係よりも対外関係に色目を使う態度では、真の国益が実現できないというものだ。


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