民族時報 第1028号(04.02.11)


【主張】

    米国は平和共存を選択せよ

 半年近くの陣痛のすえに、次回の六者協議が今月二十五日から中国で開かれることになった。昨年八月に北京で開かれた第一回六者協議では、朝鮮半島の非核化という究極の目標に六か国すべてが共感しながらも、合意文書は採択されなかった。それは当時、北側が、米国の対北敵視政策の放棄意思と北の核計画放棄意思を同時に表明しようと提案したのに対し、米国は対北安全保証には具体的に言及しないまま、核放棄の先行要求に固執したためだった。だから会談関係者らは、米国が高圧的な姿勢を捨てて新たに進展案を提示しない限り、会談開催は期待が難しいと判断したのである。

 ところが、第二回会談の開催を北側が先に公表した事実からみて、ブッシュ政権の会談に臨む姿勢に一定の変化があったことを関知することができる。とくに、米国がこれまで要求してきた「完全で検証可能かつ不可逆的な核の放棄」を次の会談で固執しないだろうとの、二月二日付の東京新聞の報道は示唆するところが大きい。これはブッシュ政権の対北敵視政策が何らの成果も得られず、破たんしたことを意味する。

 米国が真に核問題の平和的解決を望むならば、北朝鮮が提案した同時行動原則に対して前向きに検討しなければならない。北側はすべての核活動を凍結する代わりに、米国が一定の補償、すなわちテロ支援国リストから北朝鮮を削除し、政治、経済、軍事的な対北制裁と封鎖を撤回する反面、米国と周辺国などが重油と電力などのエネルギー支援をするなどの対応措置を取るよう提案している。北側のこの要求は、九四年に締結された朝米ジュネーブ合意の内容と一致する。国際間の約束は必ず守らなければならず、一方の意思だけで破棄されてはならない。

 北側が十年前の合意内容をあらためて要求したのは、言うまでもなく米国がそれを履行しなかったからである。今のいわゆる北朝鮮の核問題が提起されたのも、米国がジュネーブ合意のうちで唯一履行していた重油供給までも中断したからであり、決して北朝鮮の「濃縮ウラン計画」によるものではない。北朝鮮が核施設を再稼働したのは、米国が重油供給を中断した直後であったことを見逃してはならない。

 そして、現在米国が憂慮する北朝鮮の核抑止力が高濃縮ウランを使用したものではなく、再稼働された核施設から抽出されるプルトニウムを原料としたものであることを想起するならば、いわゆる「北の核脅威」は米国の対北敵視政策が生み出した産物であることを知ることになるのだ。

 北朝鮮は一月六日、同時一括妥結案の実行の第一段階として「核兵器の実験と生産をせず、平和的な核燃料の供給までも凍結する用意がある」と発表した。米国は北側の提案を真摯(し)に検討し、今回の六者協議で前向きの提案を提示しなければならない。


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