民族時報 第995号(03.01.21)


【投稿】

    「女子中学生れき殺事件」ビデオを見て

 力強い闘いに勇気 共同の力で米軍追い出そう

 琉球新報に、シン・ヒョスン、シム・ミソンさんが通っていた中学校での葬儀の写真が載り、この事件のことを知った。「二人もひき殺すなんて、一体どういうことなんだ」と、一般の交通事故だとしても信じられないほどの出来事で、怒りとともに、異常な事件であると感じた。

 その後、事件を伝えるビデオをみせてもらった。子どもたちが通学し、遊びに行く日常の道を米軍の装甲車があたりまえに走行している。そして時には、この日のように、二台がすれ違う。二台が、止まるどころかスピードも落とさずすれ違い、通行している人間には目もくれずひき殺す。ビデオの証言があったが、戦場でも前を進軍する歩兵をひき殺しはしない、と。だとしたら、ひき殺された子どもたちやここに暮らす住民は、米兵にとって何なのだ。

 おまけに、あろうことか、ひき殺したものが、無罪だなんて。

 沖縄の二〇〇二年の十大ニュースに、「相変わらず続く米軍による事件・事故」がとりあげられている。もういいかげんにしてと言いたい。

 一九九五年、小学生がレイプ犯人の三人の米兵を告発した。そのことに私たちは目をさまされた。東京にいて、反戦を言う私たちが、基地・軍隊の隣で暮らす人々のことを想像できなかったことが「軍隊による事件」を許しているのだと。その時から、「命どぅ宝ネットワーク」の行動が始まった。そして七年。しかし、北谷町で、具志川で米兵の性暴力・人権侵害事件は続き、農民が作業するパイナップル畑には銃弾が撃ち込まれ、米軍機が不時着する。

 わたしは、軍隊のない世界を願い行動しているはずなのに、軍隊による被害者に導かれて闘いをしているのが現実だ。今回も、シン・ヒョスン、シム・ミソンさんに導かれて『米軍装甲車による女子中学生殺人事件』に抗議する仲間たちと出会い、東京における共同の闘いが始まった。東京で共同で闘うことが、また新たな地平を開くと感じている。

 ビデオで知った韓国民衆・青年・学生の闘いは、力強く、私たちを勇気づけた。人間としての原点=命を奪うものに怒ること、立ち上がり、行動することを力強く見せてくれた。

 二〇〇三年、私たち沖縄・韓国の民衆同士が互いの状況、闘いの情報を交換し合い、エネルギーを高め合いながら、闘いを持続していこう。共同の力で米軍を追い出そう。 (島袋陽子・在日沖縄人)


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