民族時報 第993号(02.12.11)


【焦点】

    ソウル市内で国家保安法の「葬礼式」

   制定から五十七年、国連人権委員会など世界中の人権機関、団体からも改廃が提起され、「人権大統領」のもとで「改正」ぐらいはされるだろうと期待された国家保安法は、かろうじて現政権時代を生き延びてきた。

 だが、韓国の社会・市民団体で構成する国家保安法葬儀委員会は十一月二十九日、国家保安法に死亡診断書を発給し、同法の制定日の十二月一日にはソウル市内の宗廟公園で約五百人が参加し、死を「歓迎」する「国家保安法葬礼式」を開き、同法を火葬に付した。

 呉宗烈・準備委共同委員長はあいさつで、「国家保安法が死亡したことを宣言する。国家保安法で捕らわれた良心囚を全員釈放させる闘争を展開しよう」と訴えた。

 権永吉・民主労働党大統領候補は「国家保安法撤廃の先頭に立つと約束する」と述べ、「利敵団体」とされている汎民連南側本部、韓総連、韓青に民族の名で表彰し、英雄称号を付与すると明らかにした。

韓相烈・準備委共同委員長は大統領候補らへのメッセージを発表、@来年二月二十五日の就任式前までに、すべての良心囚を釈放して指名手配を解除することA就任一年目の二〇〇三年中に国家保安法を撤廃し、汎民連、韓総連、韓青への利敵団体規定を撤回することB就任二年目の二〇〇四年中に、すべての国家保安法事件の真相究明と名誉回復、賠償を実施すること――を要求した。

 葬礼式では弔詩の朗読や弔歌の発表が行われた後、ユン・ギョンヒ韓総連議長権限代行が決議文を朗読、最後に国家保安法を象徴する棺を燃やし、「六・一五南北共同宣言実現」と書かれた風船を飛ばした。

参加者らはソウル市内をデモ行進し、途中で地方から上京した学生らが合流するなど、市民らが積極的に呼応した。

 一方、憲法裁判所は十一月二十八日、同法違反で罪に服し、再度反国家団体の称賛・鼓舞罪などで起訴された場合、最高死刑を宣告できるとする同法第十三条の規定は、憲法違反との決定を出した。同裁判所(金ギョンイル主任裁判官)は全員一致でこのように決定し、「再犯だからといって、同法第七条の称賛・鼓舞などの比較的軽微な犯罪に死刑を宣告するのは、刑罰体系上の均衡性を喪失している」とした。

 韓国国民は、民族同士が力を合わせて統一しようと内外に明らかにした六・一五共同宣言を熱烈に支持している。にもかかわらず北朝鮮を「敵」と規定し、韓国の愛国的な統一運動団体を利敵団体とする国家保安法がそのまま手つかずの状態にあることは、国民の意思に反する、との指摘だ。

この悪法をどうするか。次期大統領を評価する基準になるというのが、国内の進歩的メディアの一致した見解である。


[HOME] [MENU] [バックナンバー]