民族時報 第991号(02.11.21)


【解説】

    李会昌大統領候補はどんな人物か(上)

 判事時代に朴政権を支え 父親は親日反民族行為に加担

 十二月十九日に行われる韓国大統領選挙の結果が注目されている。世論調査(ハンギョレ新聞・十月二十二日付)によれば、次期大統領の「資質」については「道徳性」が三五・七%を占め、「重要な国家課題」では、当面した「経済成長」二三・四%に次いで「不正腐敗のてっけつ」が二三・一%、「南北問題の平和的解決」八・五%などとなっている。

 ところが、いま選挙レースのトップを走っている李会昌・ハンナラ党候補が、こうした国民の要求と期待に反し、民主党の盧武鉉候補、国民統合21の鄭夢準候補、民主労働党の権永吉候補ら主な候補者のなかで、最も反民族、反統一、反民主的だと指摘されている。そこで李会昌氏の問題点とは何かを、身辺問題、理念・政策の両面から見ていくことにする。

父親が日帝時代に特権を享受

まず、李会昌氏一家の親日問題である。九七年の大統領選挙の際、李氏が所属していた新韓国党(当時)や自民連の間から「李会昌氏一家は三代にわたって特権にあずかっている」との声が高まった。すなわち李氏の父親の李弘圭氏は日帝時代に朝鮮総督府検察庁の通訳、書記として、光州、全州、長興支庁(全羅道)や端興、松禾支庁(黄海道)などで奉仕した。その間、李弘圭氏は独立運動家の検挙や投獄、拷問をはじめ、徴用、従軍慰安婦などの強制連行にも直接加担したという。報道によると、李弘圭氏が一九三五年から三八年にかけて総督府検察庁端興支庁に奉職していた当時の生き証人らが、同氏の親日・反民族行為について生々しく証言している。

 李弘圭氏は日帝時代の親日・反民族行為によって特権を享受しただけではない。解放後も法曹界に生き残り、李承晩政権下で大検察庁(最高検)の検事として、民主化運動や祖国統一運動への弾圧の一翼を担い、国民勲章や無窮花章などを授与され、栄華を誇った。

 その息子の李会昌氏も法曹界を歩み、大法院(最高裁)判事までのぼりつめた。一九六一年十一月に、クーデターで政権を奪取した朴正煕軍事政権の「革命裁判所」(軍事法廷)審判官(判事)だった李会昌氏は、「反共国是」と国家保安法を適用して「民族日報」の趙緕社長に死刑判決を宣告した。

 趙緕社長は紙面を通して、「不正腐敗の告発、祖国統一、勤労大衆の権利擁護」を主張したのだった。これに対する判決は「北の主張に同調した」というものだった。七月二十五日、韓国国会の行政自治委員会では、民主党の宋錫賛議員が「趙緕社長を死刑に処した民族日報事件」は「韓国憲政史上、最大の言論抹殺事件だ」と糾弾した。さらに李会昌氏は、一九八二年三月十八日に釜山で起きた学生たちの「米文化院放火事件」を担当し、関連者十五人に極刑を課した。

三代にわたる不正が明るみに

不正・腐敗の疑いは李氏一家を覆っている。九七年の大統領選挙の時以来、韓国を騒がせている「兵風」問題は、李会昌氏の息子二人の兵役不正(忌避)疑惑である。いうまでもなく、韓国は国民皆兵で男子は徴兵(入隊)の義務がある。だが、李会昌氏は二人の息子を兵役から免除させるために、軍の医務、兵務関係者にわたりをつけて「兵役不適格」の書類を偽造、改造したと報道された。裏工作がばれそうになると、こんどは李会昌氏夫人が二千万ウォンを渡して買収し隠ぺいを図ったと報じられ、国会や国防部に兵役不正特別捜査チームが設けられたが、最近になって捜査は打ち切られた。だが世論調査では、七〇%が「不正はあった」と認識している。

 「秘密資金八十億ウォン受け取り」説もある。某建設会社が九七年の大統領選挙から今回の選挙まで五百億ウォンを政界にばらまいたが、そのなかの八十億ウォンが李会昌総裁に渡ったというので紙面をにぎわしている。そのほか、生まれてくる孫に米国国籍を取得させるため、嫁をハワイに行かせて生ませた「遠征出産」事件や、豪華住宅三棟に住みながらも親せきの名義で偽装登録をし、四年間に数億ウォンの脱税をしていた……ことも報道されている。三代にわたる不正である。

 李会昌氏夫人の韓仁玉氏は、ハンナラ党議員の夫人の研修会で「たとえ天が二つに割れても、私たちは大統領選挙に勝たなければならない」と必死である。何としても、李会昌氏のような親日・保守・守旧大統領の誕生を許してはならない。(金恩澤)(つづく)


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