民族時報 第991号(02.11.21)


【論説】

    ピョンヤン宣言の誠実な履行が必要

 核心問題から目をそらすな 非正常な敵対関係に終止符を

 歴史的な朝日首脳会談でピョンヤン宣言が発表されてから二か月が過ぎた。ピョンヤン宣言で両国は長い敵対関係に終止符を打ち、早期に国交を樹立するために正常化交渉を再開することに合意した。あらためて強調するまでもなく、朝日間の国交正常化は朝鮮半島と北東アジアの冷戦構造の解体を加速化させ、この地域に平和と安定を保障する画期的な出来事となる。したがって朝日首脳会談とピョンヤン宣言は国際社会から大きな支持と歓迎を受けたのである。ところが日本政府はいま、ら致問題と核問題を持ち出してピョンヤン宣言の基本精神に反する方向へと朝日交渉を追い込み、国交交渉に難関を作り出している。

基本は過去清算

 朝日間の長い敵対関係を規定してきた核心は、日本帝国主義による朝鮮半島の占領であり、野獣的な植民地統治によってわが民族が被った多大な苦痛と被害である。日帝が犯したわが民族に対する未曾有(みぞう)の大虐殺と強制連行、数十万人の朝鮮女性を侵略軍の性奴隷にした国をあげての組織的な性暴行、類例のない経済資源と文化財の略奪など、南と北を問わずわが民衆の対日感情を極度の嫌悪と憎悪へと押しやった。

したがって朝日関係を正常化するうえで必ず解決しなければならない懸案問題の基本は、日本がわが民族に加えた膨大な道徳的、物質的、人的被害と、朝鮮半島の占領期間に犯した許されざる罪過に対する誠実な謝罪と補償である。日本政府がまさにこの問題を解決する意志を総理大臣の名で表明したのでピョンヤン宣言が発表されたのであり、ら致問題も解決の道が開かれたのである。また日本が敗戦後、他の敗戦国のように迅速に過去を清算して北朝鮮と善隣友好関係を構築していたならば、ら致のような遺憾な事件は発生しなかったであろう。

 しかし日本はいま、ら致問題と核問題にしがみついて、核心課題である過去清算から必死に目をそらそうとしている。そしてピョンヤン宣言の基本精神をわい曲して、再開された国交正常化交渉を危機に陥れている。十月二十九、三十日に再開された朝日国交正常化交渉は、前で述べたような日本政府の態度によって、これといった合意も得られずに終わった。日本政府は冷静で慎重な判断をくだす時である。ら致問題は、北朝鮮がその事実を認め真しな謝罪と再発防止を確約したことで、いったんは解決の糸口が見え始めた状態である。小泉総理もこれを受け入れ、大局的な見地からピョンヤン宣言に署名したのではないのか。

ところが、日本政府はいま、マスコミを前面に押し立てて北朝鮮に対する敵対感情を扇動することに熱中している。あげくの果ては一時帰国した五人の被害者を、本人の意思とは関係なく一方的に永住帰国と処理して、ようやく関係正常化に進んでいた両国間の信義を投げ捨てる行為さえためらわなかった。

 また核問題について言うなら、日本政府はこの問題を解決する権限を持っているわけでもなく、核問題の根源である米国の対北孤立、圧殺政策を是正させるだけの政治、外交的な力量も日本政府にはないと見るのが正しいだろう。究極的には朝米協商でしか解決しえない問題に度の過ぎた執着心を抱くのは、会談の順調な進行のためにも望ましいものではないことを日本は悟るべきである。

基本精神に立ち返れ

 日本政府は、一部の極右勢力が前面に出て作り出している無謀で非理性的な対北敵対騒動に迎合するのではなく、ピョンヤン宣言の基本精神に立ち返り、その誠実な履行のためにすべての政治・外交的努力を傾けなければならない。ピョンヤン宣言はその前文で「両首脳は、朝日間の不幸な過去を清算し、懸案を解決し、実りある政治、経済、文化関係を樹立することが双方の基本的利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」と明記されている。また十一月五日付「朝日新聞」の世論調査の結果を見れば、ら致問題を執ように扇動する反北騒動のなかでも、朝日国交への支持は五七%と多数を占めた。これは、日本の国民のなかに一日も早い朝日関係の正常化を願う声が力強く存在していることを見せているものだ。

朝日ピョンヤン宣言は非正常な敵対関係に終止符を打ち、善隣友好関係を結ぼうとする両国民衆の念願と、北東アジアの冷戦構造の解体を指向する二十一世紀の時代的な要求を反映した歴史的な文書である。両国がこの宣言の精神と事項を誠実に履行するならば、朝日関係で根本的な変化が起きるであろうし、新たな歴史の一ページが開かれるであろう。(漢拏山記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]