民族時報 第991号(02.11.21)


【焦点】

    アムネスティが国家保安法廃止を求める

  アムネスティ・インターナショナルは七日、韓国の大統領候補に人権状況改善のための政策を開発するよう求め、国家保安法と死刑制度廃止を勧告する内容の勧告文を発表した。

 アムネスティーは勧告文を通して、政治犯出身で人権運動家であった金大中大統領に対する期待が大きかったが、人権委員会発足など一部改善にもかかわらず、法的な人権問題改革がなされず、人権状況の改善がほとんどなかったと評価した。したがって、大統領選挙候補らは当選した場合、人権を守り人権の伸長と保護のための措置をとることをはっきり約束するよう求めた。

 勧告文は、国家保安法、死刑制度、保護観察法などを廃止して、労働者および労組の権利保護、不法滞留者保護、拷問・過酷行為廃止など、全部で十二項目に及ぶ勧告事項を提示している。

 アムネスティーが指摘したように、「国民の政府」のもとでも人権じゅうりん状況は改善されるどころか、むしろ悪化しているほどだ。それを象徴する衝撃的な事件が、検察の被疑者拷問致死事件だ。

十月二十六日、殺人容疑で取り調べを受けていた組織暴力団構成員の趙某氏が、ソウル地検で捜査官らの拷問によって死亡したこの事件は、いまだに水拷問などの過酷行為が慣行的に行われていたことが世間に明らかになった。法務部長官と検察総長の同時辞職という事態にまで至ったこの事件は、十三日に検察の捜査結果が発表され、事件にかかわった主任検事と捜査官を拘束起訴したことで事態は収束される模様だ。

水拷問と聞いて思い出すのは、ソウル大生の朴鍾哲君が水拷問によって殺された事件だ。一九八七年一月、治安本部対共分室で捜査官らによって浴槽に頭を押し込まれ窒息死したこの事件は、真相が明らかになるにつれて国民の憤激を呼び起こし、六月民主抗争の原因となった。事件から十五年以上もたち、文民政府、国民の政府へと民主化が進展したといわれながら、警察や検察の捜査過程で拷問による手法がいまだに横行しているというところに、韓国の人権状況の現状がある。

民主社会のための弁護士の集い(民弁)は十一日、「悪法改廃・改革立法シンポジウム」を開き、検察の被疑者拷問致死事件でとくに改正が要求されている刑事手続き関連法と社会保護法、そして代表的な反民主悪法である国家保安法と保安観察法など、二十余の分野、百余の法律の改正および廃止を提案した。

暴力によって恣(し)意的な捜査が横行する根源には、法の上に君臨する超法規的な国家保安法と民主化、人権軽視の思想がある。


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