民族時報 第989号(02.11.01)


【焦点】

    強制連行問題 韓国で法制化の動きも

  日本政府を相手に植民地時代の被害補償請求を起こしている「日帝植民地下の強制動員被害の真相究明特別法制定推進委員会」(共同代表・姜萬吉氏ら)の被害者や遺族ら百人が十月十一日、一九六五年に締結された韓日協定の外交文書を公開しなかったとして、韓国政府に対して情報公開拒否処分取り消し請求訴訟をソウル地裁に起こした。被害者ら百人は韓国政府に文書公開を求めていたが、外交関係の悪化などを理由に韓国政府はこれを拒否している。

 被害者らは、韓国政府が「個人の請求権は可能だ」(二〇〇〇年十月)としながら、文書公開を拒否しているため、韓国や日本、米国で進めている約百件の戦後補償請求訴訟に困難をもたらしていると主張している。

 この訴訟には、元日本軍「慰安婦」をはじめ浮島丸事件の被害者やサハリン強制連行者、在韓被爆者とその遺族らが参加している。

 このように韓国内では、日本の植民地支配の過程で強制連行され、日本軍「慰安婦」や労務者としてかり出された被害者や遺族らが、日本の過去清算を求めて関係機関に働きかけるなど活発な運動を繰り広げている。

民主党やハンナラ党などの国会議員も昨年十月、被害者らの動きに呼応して「日帝植民地下の強制動員真相究明特別法」案を国会に提出し、法制化を目指して活発な院内活動を展開中だ。

朝鮮人強制連行者の数は二百四十万人ともいわれている。しかし、彼らが受けた被害はまったく補償されなかった。韓国の被害者らの補償要求をさえぎっている最も大きく現実的な壁は、六五年の韓日協定だ。「請求権に関する問題が……完全にかつ最終的に解決された」と合意したためである。日本政府や司法は、これを根拠に被害者の補償要求を「すでに解決済み」として退けている。

だが被害者らは、どんな場合でも国家が個人の請求権を侵害することはできず、当時、韓国政府が被害者の実態を調査し、それに基づいて日本に補償を要求したこともなかったので、韓日協定はもともと無効であり、受け入れることはできないと強く反発する。(ハンギョレ新聞・十月八日付)

 ハンナラ党の金元雄議員は「ひどい目にあったわれわれは何をしているのか。奴隷のように扱われ、いつどこで死んだかもわからない朝鮮の青年、朝鮮の女性らの問題に目をつむるなら、だれがわれわれを保護するのか」と、政府の消極的な姿勢を批判した。(ハンギョレ新聞・同日付)

金ミンチョル・民族問題研究所研究委員は「南北が力を合わせて過去清算を要求し、被害者個人に対して共同で補償を求めていくことが必要だ」と強調している。(ハンギョレ新聞・同日付)


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