民族時報 第967号(01.02.21)


【論説】

      米国こそ世界で最も危険な国

 いま朝鮮半島では、ブッシュ政権の好戦的な策動によって危機的状況が作り出され、緊張が高まっている。

 ブッシュ米大統領は一月二十九日に議会で行った一般教書演説で、「大量破壊兵器を開発、保有している」と、イラン、イラクとともに北朝鮮を名指しして「悪の枢軸」とば倒した。その後も米行政府や議会の間では「先制攻撃」をほのめかしたり、甚だしくは「軽水炉建設の中止」や「通常兵器の削減要求」をうんぬんする声が絶えない。

 これらは北朝鮮側が到底受け入れ難い威嚇であり、アフガニスタンに対する「反テロ戦争」後、極度にごう慢、横暴になったブッシュ政権が北朝鮮を政治、経済、軍事的に孤立させ圧殺することを狙ったもので、「反テロ戦争」の名によって世界を支配しようという企みの一環である。

 当然のことながら、北朝鮮外務省スポークスマンは即時声明を発表、「これは事実上の宣戦布告にほかならない」と、ブッシュ政権の無謀な軍事的圧殺企図を厳しく糾弾した。南でも、金大中大統領が「七千万民族を戦争の脅威にさらすわけにはいかない」と表明、三十六人の与野国会議員はブッシュ政権に対北対話を促す決議案を提出、別のグループは大使館に対して「ブッシュ大統領の強硬発言は朝鮮半島の平和を害する要因になっている」と抗議した。

 また、六百余の市民団体で構成された「ブッシュ訪韓反対、諸市民、社会団体連席会議」など多くの市民団体や学生らが連日、米大使館へ抗議デモを行うなど、ブッシュ大統領の訪韓反対の行動を展開している。ブッシュ大統領は訪韓中の二十日に軍事境界線を訪れ、駐韓米軍を激励するという。これまた、五十二年前にダレス米大統領特使が三八度線を「視察」した直後に朝鮮戦争がひき起こされたことをほうふつさせるものだ。

 ブッシュ政権の独善的で無分別な強権政策と「テロ戦争」拡大の企みを非難する声は、全世界を覆っている。

 フランスのベトリン外相は「ブッシュ政権がすべての問題を『テロ戦争』に直結させているために、われわれは脅威を受けている」と批判し、ストロー英外相は「ブッシュ演説は選挙用だ」とこき下ろした。英国の「ガーディアン」紙は「ブッシュ演説は、これらの国のミサイル脅威を誇張することにより、米国内でも異論のあるミサイル防衛(MD)体制を推進する名分探し」だと決めつけた。

 批判の声は米国内からもわき起こっている。クリントン前大統領とオルブライト前国務長官はそれぞれ、クリントン政権末期に朝米間でミサイル合意に接近していたものを、「ブッシュ大統領は強硬な発言でブチ壊してしまった」と非難した。「ニューズ・ウィーク」誌は「北朝鮮はこの十年間、何らのテロ活動もしていない。北朝鮮をテロ支援国に含めたのも外交的圧迫を狙ったもの」だとし、「戦争への追い込み」を批判した。また「ニューヨーク・タイムズ」は「ブッシュ大統領の威嚇的な演説は北朝鮮を刺激し、朝鮮半島で戦争の可能性を高めた」と非難した。

 さらに、チョムスキー・米マサチューセッツ大学名誉教授は「ブッシュ政権の『テロ戦争』によって人類の生存権が脅かされている」と述べ、「ブッシュ大統領の政策こそテロリズム」だと断じた。この指摘は正しい。まさに、米国こそ「悪の帝国」にほかならない。

 米国は世界最大の核、ミサイル、生物・化学兵器など大量破壊兵器の保有国、輸出国である。世界で米国が占める兵器輸出のシェアは実に四五%を超える。そのハイテクミサイルや爆弾によって、米国はアフガンの市民三千七百余人を殺りくした。タリバンのスティンガーミサイルも、八〇年代に米国が対ソ制圧用に供給したものだ。

 米国の歴史は侵略と民衆虐殺、破壊の連続である。「インディアン狩り」「黒人奴隷制度」はさておくとしても、ベトナム、カンボジア、ラオスでは「ソンミ村の虐殺」や枯葉剤の散布などで三百余万人の命を奪った。アフガンのテロ戦争に参加しているCIAなどの集団は、パナマ、グレナダ、パレスチナ、キューバなどラテンアメリカや中東地域で左派政権に対するテロ、転覆・謀略作戦を遂行し、数十万人を虐殺してきた。

 朝鮮戦争でも、米国は北に対する焦土作戦や細菌戦攻撃、敗走する際の信川や老斤里(ノグンリ)の虐殺などによって五百余万人の住民を殺傷し、「原子爆弾投下」の脅しによって一千万人の離散家族をつくった。米国は世界四十余か国に二十万人以上の軍隊を駐留させ、「日の沈まぬ」基地網を構築している。韓国では九十余か所の軍事基地を保有し、三万七千余人の米軍は韓国軍を作戦指揮下に置き、これまで十万人以上の市民を殺人、強かん、強盗などの犯行で殺傷してきた。梅香里爆弾投下に見るごとく、基地周辺の米軍犯罪、公害、環境破壊は目を覆うばかりだ。

 その米国のブッシュ政権は、いま世界支配を確保するために、テロ戦争を朝鮮半島に拡大させようと画策している。われわれはブッシュ政権の独善的で無謀な、ごう慢で好戦的な「悪の枢軸」陰謀に断固反対する。六・一五南北共同宣言を履行し、祖国の自主・平和・統一を実現して守り続けるために七千万民族が固く団結し、世界の友好・反戦平和勢力と手を結び、ブッシュ政権の戦争計画を阻止しよう。(金和樹記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]