民族時報 第967号(01.02.21)


【主張】

     米国の内政干渉を排撃せよ

 戦争反対、平和実現、ブッシュ訪韓決死反対の叫びが天高くこだましているなかで、ブッシュ米大統領が十九日に韓国を訪問し、金大中大統領と首脳会談を持つことになった。今回の会談が、九・一一テロを国家利益の拡大に利用してきたブッシュ大統領が、その余勢をかって「悪の枢軸」発言など朝鮮半島に軍事攻勢をかける露骨な意図をあらわにした時点で開かれるという点で、問題は非常に深刻である。

 それだけに、会談に臨む金大中大統領は民族協調を選ぶのか、北朝鮮との全面対決政策をとる米国との協調を選ぶのか、という重大な岐路に立たされている。

 首脳会談では韓米同盟関係の強化を再確認し、ミサイル防衛(MD)への参加問題などが議題に上るといわれている。とくに米国は「北朝鮮の核とミサイルなど大量破壊兵器(WMD)問題」を主要な議題にすべき、と韓国政府に公式に伝えたといわれる。また、次世代戦闘機の選定問題と関連して、自国ボーイング社製の戦闘機を押し売りすることもブッシュ大統領の訪韓の大きな目的の一つだといわれている。これらの問題は六・一五共同宣言を破壊し、戦争へと導く危険千万な要因となる。

 北朝鮮のミサイルについて言うならば、すでにクリントン前政権と妥結寸前にまで進んでいた事案であり、核問題でも約束を守っていないのは米国の方である。それではなぜブッシュ政権が対北対話の成果を踏みにじり、対北強硬政策を掲げて「ミサイルの脅威」を誇張し、挑戦的・攻撃的に出るのか。国際社会がこぞって反対している危険なミサイル防衛体系の構築と、膨大な軍事費増額の口実にするためである。ところが世界第一位の大量破壊兵器輸出国の米国が、確証もなく北朝鮮の核とミサイルの脅威を取り上げること自体が矛盾に満ちている。

 このような米国の覇権掌握のための軍事路線と対北強硬政策によって、いま朝鮮半島では緊張が高まり戦争の雰囲気が渦巻いている。六・一五共同宣言以後、ようやく進みはじめた南北の対話と和解、協力の動きは冷却状態に陥っている。ゆえに国民が反米運動に立ち上がっており、与野党の国会議員も米国による朝鮮半島での新冷戦構築と一方的な軍事行動、世界戦略に基づく先制攻撃を含む戦争拡大の動きに深刻さを感じとり、批判の声を高めているのだ。

 米国の朝鮮半島政策はわが民族の生存と直結する問題である。朝鮮半島で戦争がぼっ発すれば、南北ともに途方もない被害をこうむるのは火を見るより明らかである。民族の存亡がかかっているこの危機状況を克服する道は自主性を堅持し、わが民族同士が固く団結する以外にない。

 金大中大統領は第一に、朝鮮半島の平和と安定を打ちこわす米国の対北強硬政策に強い反対意思を表明し、対話によって問題を解決するよう強調しなければならない。第二に、いかなる軍事的協力の強要にも決然とした姿勢で拒絶しなければならない。第三に、米国の軍需産業を肥え太らすだけの使い道のない次期戦闘機の購入圧力を果敢に退けなければならない。それだけでなく、南北の和解と協力政策へのどのような米国の内政干渉も断固排撃し、自主的立場を堅持しなければならない。

 朝鮮半島の戦争危機を作り出す米国の横暴に正面から立ち向かう力は、民族協調のほかにない。六・一五南北共同宣言を誠実に履行する道だけが、わが民族の生きる道であり、朝鮮半島に平和をもたらす道である。


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