民族時報 第966号(02.02.11)


【論説】

     李会昌総裁はどこの国の人か

 ブッシュ米大統領は一月二十九日、一般教書演説でイラン、イラクとともに北朝鮮を「悪の枢軸」と断定し、露骨に敵意をむき出しにした。それだけではなく、彼は今年を「戦争の年」と宣言しながら、対テロ戦争の拡大を公然と叫んでいる。昨年一年間を振り返ってみれば、自主統一の確固とした指針である六・一五南北共同宣言の順調な履行を妨げた最大の障害物は、米政府の対北敵視政策と南北間の和解と協力に対する不当な干渉であった。

 そのために、朝鮮半島の軍事的緊張を意図的に激化させようとする米政府のごう慢な策動に、思想と理念、党派の差異を乗り越えて全同胞が団結し対応しなければならないことは、改めて強調する必要もない。しかしハンナラ党の李会昌総裁が最近、米国を訪問し、米政府の高官との会談で発言した内容は、民族的な義憤をかき立てる売国的なものであった。

親米事大主義的な姿勢

 一月二十一日から二十八日まで訪米した李会昌総裁は二十三日、ヘリテージ財団と米国企業研究所が共同招請した午さん会で「岐路に立つ韓国―平和・民主主義・世界化に向かって」と題する演説を行い、彼の全般的な対北政策の基調を明らかにした。まず、李総裁は「北朝鮮は正常な基準から見ると、これ以上維持できない体制」と規定し、体制の優劣を分けてきた冷戦時代の対決的対北観の所有者であることをさらけ出した。

 また彼は、自分の対北政策は「戦略的な包容政策」であり、これは南北関係で徹底した相互主義を堅持することだと強調した。とくに、李総裁が「われわれの対北政策の究極の目的は統一だが、より重要なことは人権、民主主義、自由市場経済を発展させて守っていくこと」だとし、「このような根本価値を保存するためには、どのような妥協もありえない」と宣言した部分は、六・一五共同宣言の精神を全面的に否定する反統一的な姿勢だと糾弾されて当然である。

 さらに許せないことは、米国に対する彼の事大・売国的な立場である。李総裁は「統一後も、少なくとも北東アジアの安定と勢力均衡者の役割として、駐韓米軍は継続して必要である」と永久的な米軍駐屯を哀願しながら、老斤里(ノグンリ)住民虐殺事件への謝罪と補償の要求、梅香里(メヒャンリ)住民の米軍射爆場撤去闘争など韓国各地で展開されている反米運動に対しても「ごく一部の感情」だとば倒した。

さらに「大韓民国が皆さんとともにあり、皆さんを全幅的に声援していることを再度確認」した彼は、「将来、わが国民の選択で大韓民国の指導者になった場合にも、このような声援は少しの揺るぎもないであろう」と親米事大主義を最大に表現した。これは権力を掌握するためには民族の利益は眼中になく、ひたすら米国にへつらい屈従するかぼくの役割もいとわないとの卑劣で売国的な姿勢である。

不当な介入排撃しよう

 米国の真の狙いをしっかりと読み取らなくてはならない。テロとの戦争で多忙な米政府が、下位同盟国の一介の野党総裁にすぎない人物に、なぜ破格的な待遇をしたのだろうか。歴代の野党総裁の訪米時には国務省の課長級、よくて次官補級程度に会って帰国するのが慣例だった。ところが今回の訪米期間中、李総裁はチェイニー副大統領をはじめパウエル国務長官、アーミテージ副長官、ウォルフウィッツ国防総省副長官、ライス・ホワイトハウス安保補佐官ら政府の高官や民主党、共和党の上下院指導級の議員と相次いで会談した。これは、米政府が韓国の次期大統領に李総裁を望んでいるとの強い意思を表すことで、年末の大統領選挙政局に露骨に介入しようとの意図だと見るべきである。

 それだけ米政府は、六・一五共同宣言を契機に形成された南北間の和解と協力、民族協調の遮ることのできない流れに不安を抱いており、これを失敗させるために親米事大主義政権を登場させ、対北対決主義を核心とする外勢協調へと逆戻りさせようと画策しているのである

 しかし李会昌総裁は肝に銘ずるべきである。権力を掌握するために米国に屈従し、民族の利益に背反したものが、どれほど歴史的な審判を受けたかを。いま、全同胞の志向は外勢排撃と六・一五共同宣言の履行による民族協調の推進にある。次期政権を担当する人に何よりも緊要なことは米国の承認ではなく韓国民衆の支持であり、ともに民族統一をなし遂げるパートナーとしての北の当局と民衆から認められることである。

(漢拏山記者)


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