民族時報 第960号(01.11.21)


【記事3】

     全国農民大会 韓国各地で激しいデモ

  全国農民会総連盟(全農)所属の農民約一万八千人が十三日、ソウルに結集し、「コメ生産費保障・WTOコメ輸入開放反対・開放農政撤廃・第一回全国農民大会」を開いた。各地から四百余台のバスに乗って上京した農民らは大会前に市内各所でデモを繰り広げ、政府の農業政策を激しく糾弾するなど、怒りを爆発させた。

  大会では呉宗烈・全国連合議長、金ナミョン・全国農民団体協議会会長、許ヨング・民主労総委員長代行らのあいさつの後、政府の中長期対策の撤回、韓米、韓・チリ自由貿易協定中断、新自由主義開放農政撤廃を訴えた。

 また大会では、会場に積みあげた米俵に火を放って怒りを表した。農民らは、九月に政府が発表した「WTOコメ再協商に対備したコメ産業中長期対策」が、来年から政府が直接介入する増産政策を放棄し、コメの政府買い上げ価格を凍結、二○○四年から政府補助金による一部買い上げを廃止するなど、これまでの主殻政策の枠を根本的に変えるもので、農民にすべての被害をかぶせようとするものだと批判している。

  また、在庫の余剰米があるにもかかわらず、対北食糧支援を輸入米や古米で代替しようとする政府の姿勢を厳しく批判。米価安定と南北和解協力のために、最低三百万石(一石は十斗)以上のコメを早期に北に支援することも求めた。

  九月に政府が中長期対策を発表して以来、全国で農民らの激しい抗議行動が続いているが、対話に応じようとしない政府の姿勢に農民らの怒りはますます高まっている。

 

論説 / 政府の農業政策と農民らの闘い

  全国農民会総連盟(全農・鄭光勲議長)は十三日、ソウル市内のヨイド公園で第一回全国農民大会を開いた。全国から参加した一万八千余人の農民らはコメ生産費保障、WTO(世界貿易機関)のコメ開放反対、韓米、韓・チリ自由貿易協定の推進中断、対北コメ支援の拡大などを政府に要求した。農民らは決議文を通して「農業が軽く見られるならば、大きな国家的災難に直面するだろう」とし、「金大中政権がコメ輸入開放など開放農政を強行すれば、生存権を守るために強力に闘う」と強く主張した。

 大会を終えた農民らは国会に向けてデモ行進を行い、警察の妨害を受けるとハンナラ党舎に集まり、トラックを先頭に警察の阻止線を突破しようとした。また一部の農民は旗ざおなどを持って党舎に入ろうとして機動警察隊と衝突、双方に数十人の負傷者が出た。今年も豊作だというのに、何が農民をしてこのように怒りの対政府デモに出させたのか。

農民生活を破綻させる

 農民負債は一九九一年に五百十九万ウォンだったのが、九九年には一千八百五十四万ウォンに三五七%も急増し、農家所得の対負債比率も九一年の三九・六%から九八年に八三%と増加した。農民生活が九○年代に入って急速に破たんしたのは、政府の無責任な農業政策が原因だということができる。九六年六月のコメ産業総合対策施行を前後して、政府はコメ専業農家の育成と多収穫品種の普及などコメ増産政策を積極的に推進してきた。その結果、異変のない天候と農機具の普及など有利な条件も加味されて、年ごとに三千五百万―三千七百万石(一石は十斗)の豊作だった。反面、食生活の変化などで国民のコメ消費量は最近の十年間で二二%も減少したという。

 そのうえ、九四年のウルグアイ・ラウンド農産物協定に伴って外国産米の義務輸入量を毎年増やさなければならず、今年の輸入量は百万石に肉薄する程度になっている。これによってコメの需要と供給の間に深刻な不均衡が生まれ、コメの在庫量は年々増えている。今年末の在庫量は、国連食糧農業機構(FAO)が勧める適正在庫量を四百万石も超過した九百九十万石に達すると予想されている。

 このようななかで、今年予想される生産量は三千六百五十万石で、このうち政府買い上げ量の五百七十五万石、農協と民間の買い入れ量七百五十万石、農家消費の一千百二十二万石を差し引けば、市場に出回るコメは一千二百三万石である。このように大量のコメがそのまま市場に出れば、米価の暴落は火を見るよりもあきらかだ。コメ増産政策を推進してきた政府は、コメ過剰生産による価格暴落に対して、これといった効果的な対策をとっておらず、利子付き営農資金の返済に追われる農民は、泣く泣く生産費割れの廉価で売るしかないのだ。

 にもかかわらず、政府はWTOと合意した農産物の国内補助金削減日程にしばられて、今年の買い上げ量を昨年の六百二十九万石より少ない五百七十五万石と策定した。また「昨年の収穫期の米価水準を保障する」としていた政府の約束は、言葉どおりに空手形になった。米価がもっと低下するとみた仲買人らが、買い入れを手控えているために、もみ米四十キロの生産原価が六万ウォンなのに、市場に出しても四万八千ウォン程度にしかならない。政府の言葉を信じてコメ増産に力を入れた農民らの心配は深まるばかりだ。いったい、豊年を迎えて農民がため息をつく国が、大韓民国のほかにどこにあるだろうか。

農民のための農政転換を

 実情はこうであるにもかかわらず、今年政府が打ち出した農業政策は、農民の立場をさらに悪化させる憂慮がある。農林部は九月四日に米穀産業中長期対策を発表したが、その内容は来年からコメ増産政策を放棄してコメ買い上げ価格を凍結する反面、WTOコメ再協商が始まる二○○四年以降には、現行の約定買い上げ制を廃止して時価で買い入れ・放出する公共備蓄制を導入するというのである。米国が主導する新自由主義開放化によってすでに民衆の生活は地に落ちている状況だ。労働者は構造調整と首切りで生活は苦しいのに、続いて農民も二○○四年のコメ市場全面開放を契機に、営々と築き上げてきた生命の地から追い出され、農業を放棄するよう強要されている。

 政府の農業政策は、開放化を念頭においた開放農政であるとともに、祖国統一をまったく念頭に置かない分断農政であることを指摘せざるをえない。政府は在庫米を北朝鮮に早期支援せよ、との農民の要求を頑として聞いていない。全農が第一回農民大会で打ち出した「コメ三百万石の対北支援要求」は、今年の生産米のうち、適正備蓄米を除いた残りのコメを北に送ることで、コメ価格の下落を防止するだけでなく、民族的次元で和解と協力を図る触媒的役割もしようというものである。農業が生命産業であり、コメはその核心である。また国の農業政策は、将来、民族統一のその日に対備したものにならなければならない。政府はよく考えて、真に統一を念頭においた中長期的農業政策を立案しなければならない。

(漢拏山記者)


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