民族時報 第959号(01.11.11)


【記事4】

    400回目を迎えた「木曜集会」の現場から

 「どうか、この子らを返してください」。オモニ(お母さん)らの絶叫が、きょうもソウルの空にこだました。民家協がソウル市内のタプコル公園で行っている木曜集会の四百回目の叫びだ。

 民家協(民主化実践家族運動協議会・林基蘭常任議長)は軍事独裁政権時代、民主化や労働、統一運動などで拘束されたり、指名手配を受けた学生、労働者、民主人士ら政治犯(良心囚)の釈放や手配解除を求めて、オモニやアボジ、兄弟ら家族で結成し、毎週「木曜集会」を行ってきた。

 九二年十二月に民主化運動の指導者の一人だった金泳三氏が大統領に当選し、明くる年の二月に「文民政府」を出発させたため、民家協は金泳三政権に大きな期待をよせて「木曜集会」を中止した。

 しかし、人権問題の改善に取り組もうとしない新政権に対して、出発六か月目で「期待」が「懐疑」に代わったため、民家協は一般市民の中に入って人権問題の雰囲気を高めようと九三年九月二十三日、「木曜集会」を再開した。

 この「木曜集会」は、五年後の九八年二月に金大中政権が出発して中止が「期待」された。しかし、自らも国家保安法で死刑判決を受けた経歴を持ち、大統領当選後はノーベル平和賞だけでなく数々の国際的な人権賞を受け、国家や政府を「人権先進国」「国民の政府」と呼んだ金大中大統領も国家保安法を廃止せず、人権改善も不十分だった。民家協は「木曜集会」をやめられないまま、続けざるをえなかった。

 このようにして、民家協の木曜集会は毎週、雨の日も風の日も、焼けつくような真夏の太陽の下でも、零下二十度の極寒でも、一回も休むことなく続けて七年が過ぎた。

 一日に開かれた四百回目の木曜集会には、囚人服を着たオモニ、アボジ、兄弟ら二十数人の家族と元長期囚、人権運動家ら約百五十人が参加した。

 林基蘭議長はあいさつで「老いて疲れたオモニらが、極寒、酷暑でも木曜集会を続けざるをえなかった現実が悲しい」と語り、一日現在でろう獄に百二十三人の良心囚がいると明らかにした。

 この日の集会には、獄中の良心囚に関連する二十数人分の服が展示され、家族らがそれぞれいきさつを話した。民革党事件で八年の刑を受けた河ヨンオク氏のオモニ、権ソンヒ氏(六十九歳)は、大統領に送る嘆願書を読みながら、河氏のジョギング・ウエアを釈放されれば着せようと、妻が毎日洗濯して待っていると涙ながらに話し、「どうか、この子らを返してください」と訴えた。

 結婚二か月で拘束された夫(沈ジェチュン氏)に明るい色のセーターを着せたくても、獄中で着ることができないからと展示し、早く夫を返してくれと妻の李ムンヒさんが読む手紙に、参加者が涙を流した。

 九八年の第九回汎民族大会に参加して拘束され、懲役四年の判決を受けた金大元氏の妹、金ミヨンさんは、兄が昨年六月から深刻な精神障害を患っているのに、まともな治療が受けられていないと明らかにし、「一日も早く釈放して、専門治療を受けさせてほしい」と訴えた。

 この日の集会で、民家協は「新たな人権の時代が開かれることを望んで」とする人権改革要求文を朗読した。民家協は人権改革要求文で@民主主義と統一のために努力して拘束された良心囚の無条件全員釈放A人権抑圧の最大要因といわれている国家保安法など諸般の悪法の廃止B過去の政権の人権侵害に対する全面的な調査と真相究明の実施C国家人権委員会の独立性、実効性の保障D良心的な兵役拒否権の認定と代替服務制の導入E捜査機関による人権侵害の中断と刑事被疑者の権利保障F在所者の人権保障G世界人権宣言と国際人権規約を履行する人権政策と措置の提示――を求めた。金大中政権下で、このような問題が山積されていることに驚くばかりだ。

 民家協は、良心囚が全員釈放され、国家保安法が廃止されるまで、木曜集会を続けるという。展示された服が本人に着られるのは、いつのことだろうか。 (梁珠賢記者)


[HOME] [MENU] [バックナンバー]