民族時報 第959号(01.11.11)


【焦点】

     韓国軍兵器導入事業 10兆ウォン規模

  四兆二千億ウォン規模の空軍次期戦闘機(FX)事業の機種選定が事実上、来年以降に延期された。全体で十兆ウォンを超える新期兵器導入事業は、その規模の大きさから関連業者間の競争はし烈で、それぞれの政府・軍高官まで動員するほどの過熱ぶりだ。同時テロのために実現しなかったが、十月十五日にソウルで行われた航空機ショーには、ブッシュ大統領も当初出席する予定だった。

  韓国軍の兵器導入過程はきわめて不透明で、入札という形式を借りながらも、結局はどこよりも高価な米国製兵器を買わされるというのがこれまでの慣例だった。ところが、十年にわたって進められてきたFX事業は、導入過程がマスコミに露出し、米国製が他国製と性能的に大差がなくなってきたこともあって、世論の注目するところとなっている。

  現在、FX事業の対象は、ほぼ米国・ボーイング社のF15戦闘機とフランス・ダッソー社のラファエル戦闘機にしぼられている。

  一九八九年に実戦配備されたF15に比べて、最新鋭機能を搭載したラファエルが性能的に優れているというのが衆目の一致するところだ。そのうえダッソーは、ラファエルを選定してくれれば、海外に輸出するラファエルの部品生産を韓国にライセンスし、レーダーとエンジンの生産などにも参与させると約束。さらに、同社の民間航空機であるファルコンの生産にも韓国を参与させるとの、破格の条件まで提示している。

  一方、ボーイング社は、これまで政治的圧力を加えるためのロビー活動にばかり熱心で、交渉姿勢が高圧的だと評判がかんばしくなかった。しかし今回は、航空機と兵器システムの設計、テスト、運用と管理など、二十八件の技術移転プロジェクトを韓国側に提供すると明らかにした。しかし、米国政府が兵器の保証・販売を行う海外兵器販売方式(FMS)のもとでは、技術移転は事実上困難だろうというのが専門家の意見だ。韓米間で締結されたFMS制度の下では、兵器体系のすべてを米国に依存しているために、管理や補修さえも米国政府の承認なしには行えないのが現状だからだ。

  こうしてみると、素人の目にもどちらを選定すべきか、一目りょう然のように思われる。にもかかわらず機種選定が予断を許さないのは、米国政府の圧力という政治的変数のためだ。

  最近、ボーイング社は社運をかけた総額四千億ドルにのぼる米国の次期戦闘機プロジェクトで、ロッキード・マーチン社に敗北。旅客機部門ですでに三万人の人員削減を予定している同社は、戦闘機部門でも将来的に大幅な削減を避けられない模様だ。このような米国の国内事情がFX事業に影響を与えるのではないか、と懸念する声は少なくない。


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