民族時報 第959号(01.11.11)


【記事2】

    ウトロ地区 強制立ち退き迫る

                最高裁で敗訴 住民、緊張感のなかで生活

 「ここで生きたい。絶対ここを立ち退かない」―京都府宇治市のウトロ地区、現在、七十世帯二百三十人が生活する朝鮮人居住地区(六千四百坪)だ。(インタビュー記事は別項)

 昨年十一月の最高裁で住民側が敗訴し、住民全員の立ち退きが決定した。土地所有者(不動産会社)は今年末を期限に、住民にそれまでに立ち退くよう通告、それ以後は強制撤去する構えだ。住民は毎日、強制執行の恐怖の中で生活している。

 ウトロ地区は一九四〇年、強制連行され飛行場建設工事に従事した朝鮮人が住み着き、戦後も国・行政の対象外地区として放置されてきた。一方、地権者の日産車体は八七年に住民の承認なしに一方的に土地を売却、現在の地権者が立ち退きを求めて提訴した。

 十三年間、住民の意思をまとめながら、ともに裁判闘争を進めてきた南山城同胞生活相談所の金善則所長(七十八歳)は「思想、信条に関係なく、ウトロを支援してきた。裁判結果は残念だが、不当性を訴えつづける」と語った。五十年以上住んでいるという劉逸守さん(八十五歳・女性)は怒りをあらわにしながら、「強制撤去が何だ。死んでもここをどかない。第二のふるさとのここで死にたい」と、朝鮮語で一気語った。


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