民族時報 第959号(01.11.11)


【主張】

         テロ特別措置法は戦争特別法だ

 日本政府は十月二十九日、参議院本会議でテロ対策特別措置法案と自衛隊法改定案、海上保安庁法改定案を通過させた。これで日本は戦争を禁じた憲法を無視して、戦争をする国へと変わった。日本軍国主義者らが執ように追求してきた日本軍の海外進出の法的根拠を確保することになった。日本政府はテロ対策特措法によって、基本計画を十六日の閣議で確定した後、米国の報復戦争に参戦するために自衛隊を派遣するという。

 派遣規模は、海上自衛隊の護衛艦と補給艦四―六隻と隊員一千百人、C130輸送機四機である。また、高性能レーダーで数百キロ先の目標をほそくし、同時に二十以上の目標物を迎撃できるイージス艦も動員するという。戦闘行為を遂行するには十分な能力である。出動範囲はインド洋、アラビア海、ベンガル湾、マラッカ海峡、太平洋中西部などの公海とその上空といわれている。

 テロ対策特措法の制定で憲法九条は事実上、死文化しており、自衛隊の海外派兵と武器の使用、他国に対する軍事行動と干渉戦争を可能にする法的体制が整備されたのである。小泉首相は後方支援だと強調するが、高性能の兵器が使用される現代戦では、後方と前方を区別することはできない。文字どおり自衛隊の参戦である。

 日本政府は、自衛隊派兵がテロ撲滅を目的とする国際社会の協調行為の一環だと主張する。しかし内実は、米国の報復戦争に便乗して自衛隊の活動領域を世界的に拡散するための陰湿な意図が底辺にある。

 米国の報復戦争に反対する世論が国際社会のすう勢であるにもかかわらず、根拠があいまいな法をつくり、自衛隊と超高性能の軍艦を派遣する理由は何なのか。われわれは、米国の戦争支援を口実にし、これまで繰り広げてきた再侵略の野望を達成するための再武装化と実戦演習ではないのか、との疑惑を打ち消すことができない。

 テロ対策特措法案の成立を待っていたかのように、自民党などの右翼傾向の与野議員らが、集団的自衛権の行使を可能にする内容の「安全保障基本法」の制定に向けた活動を始めているという。海外侵略の道を突き進んでいる日本のこのような危険な動きに、アジア諸国は警戒している。朝鮮半島をはじめアジアへの再侵略は、日本軍国主義者の長い間の野望であったからだ。

 しかし日本は誤算してはならない。南北のわが民族は過去の韓国・朝鮮人ではなく、アジアの民衆も過去の民衆ではない。もし日本が米国を後ろ盾にして朝鮮半島で侵略戦争を引き起こせば、その結果は恥辱の惨敗と滅亡以外にない。日本はそのことをはっきりと知らなければならない。

 日本は侵略と戦争の道に進むのではなく、過去の罪科を清く清算し、わが国をはじめアジア諸国の国民と善隣友好関係を作り出し、互いに力を合わせて平和で繁栄するアジアを建設する道へと政策を転換しなければならない。侵略と戦争は悪と死への道であり、平和は善と繁栄への道である。われわれは、すべての平和勢力が固く連帯し、日本の軍事大国化と戦争策動に反対する反戦平和運動を力強く展開していくものである。


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