民族時報 第959号(01.11.11)


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   米国のアフガン報復戦争で罪のない民間人が犠牲に

         タリバーン発表で十月三十一日現在、一千五百人、AIP発表で六日現在、六百三十三人が犠牲

 米国がアフガニスタンに報復戦争を始めて、六日で一か月になる。この間、米軍は昼夜の別なく空爆を加え、これまでにタリバーン側の発表で一千五百人(十月三十一日現在)、アフガン・イスラム通信(AIP)の報道で六百三十三人(六日現在)の民間人が犠牲になっている。米国は、国連事務所や病院への爆撃で百人単位の犠牲者が出てしぶしぶ誤爆を認めているが、「戦争には犠牲はつきもの」と強弁、じゅうたん爆撃や新型爆弾の使用へと攻撃をエスカレートさせている。アフガンでは直接の犠牲者のほかに、数百万人の難民が飢えと寒さ、疾病、地雷などで「穏やかに殺されて」おり、米国の「残虐な国家テロ」への非難がさらに強まっている。

 空爆開始後、米軍は十九日に特殊部隊を投入して地上戦を行い、今月一日からベトナム戦争以来のじゅうたん爆撃を始め、戦争を一気に拡大した。

 使用する爆弾も残虐になっている。爆撃六日目で使ったクラスター(集束)爆弾は、空中で爆発する爆弾から多くの小型爆弾が数キロの範囲に飛び出すもの。今月六日から使った燃料気化弾BLU―82(通称デージー・カッター)爆弾は、直径約五百メートルを高熱で焼き尽くし地上を無酸素状態にさせるもので、どちらも非人道的な兵器との非難が出ている。

 これまでの爆撃で、民間人の犠牲者は報道されたものだけでも、十月八日国連の地雷撤去に携わる非政府組織(NGO)事務所四人、十一日クラム村が壊滅状態になり村民百人以上、カンダハルで三十人、十三日首都カブールで四人、十九日カンダハルで七人、二十一日カブールなどで二十八人、二十二日ヘラートの病院爆撃で患者ら百人以上、二十三日ヘラートのモスク爆撃で十五人、カンダハルで五十二人(この時点で一千人の犠牲者、三百五十万人の難民)、二十四日カブールで七人、デラード村で十二人、今月五日南部、北部、西部で十一人、ケシェンデで六人、ヘラートで二人などとなっている。このなかでも子どもや女性の犠牲が多く、負傷者は数え切れない。

 国連のアナン事務総長は十月十五日、民間人に死傷者が出ていることに対して「悲劇的な損失」だと遺憾の意を表した。

 一方、避難民の食糧難について、ブラヒミ国連特別代表は一日、「この冬で九十万人の餓死者が出る可能性がある」とし、米国に空爆の即時停止を求めた。国連は「凍死もありえる」と警告している。

 米国はこの戦争で、軍事施設だけを狙うため民間人の犠牲はありえないと強弁した。しかし、爆撃は当初から命中に誤差が認められており、多くは数キロの爆撃誤差があるといわれている。これに対して、駐パキスタンのタリバン大使は、民間人を狙う米国の爆撃は「超大国によるテロ」だと非難している。


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