民族時報 第958号(01.11.01)


【焦点】

   朝鮮戦争時の民間人虐殺問題で統合特別法制定へ始動

  朝鮮戦争前後の米軍や韓国軍による民間人虐殺の真相を明らかにし、犠牲者の名誉回復を実現するために十月二十二日、「民間人虐殺特別法制定のための全国共同対策委員会」が発足した。同対策委は「朝鮮戦争前後の民間人虐殺真相究明および名誉回復のための汎国民委員会」(汎国民委)と「米軍虐殺蛮行真相究明全民族特別調査委員会」(全民特委)など六十二団体で構成され、「真相究明の統合特別法の制定」を主な目標にしている。

  この日、ソウル市内のキリスト教会館で行われた記者会見で同対策委は、「朝鮮戦争前後の民間人犠牲事件真相究明および犠牲者の名誉回復などに関する法律」の国会通過を要求し、この定期国会で特別法が制定されなければ、来年二月の国連人権委員会に韓国政府を提訴すると明らかにした。この法案は、九月六日に国会議員四十七人(代表=金元雄議員)が民主化のための弁護士の集い所属の弁護士の協力を得て共同発議したもの。

  朝鮮戦争前後、米軍とその支配下にあった韓国軍・警察によって無実の民間人が大量に虐殺された事実は、これまで徹底的に歴史の闇(やみ)に葬られていた。遺族らが最初に立ち上がったのは一九六○年の四・一九革命直後だった。全国的に遺族会が結成され、遺骨の発掘作業とともに真相究明運動を繰り広げたが、五・一六クーデターによって、遺族らは軍部勢力の激しい弾圧を受けることになった。

  遺族と自治体が共同で遺骨を発掘し、地域ごとに造った犠牲者合同墓地は軍部勢力によってことごとく掘り返されて遺骨は無残に捨てられ、流出してしまった。また、各地の究明委員会は強制解散させられて犠牲者らの名簿は焼却され、運動にかかわった遺族代表らは革命布告令違反で次々に拘束され、すさまじい拷問を受けた。その後もさまざまなスパイ事件をでっち上げられ投獄されるなど、当局の厳しい監視と弾圧にさらされたため、遺族らの口はより一層固く閉ざされるしかなかったのだ。

  軍部勢力がクーデター直後、真っ先にこの真相究明運動を徹底的に弾圧したことから、五・一六クーデターは、米軍の関与した醜悪な犯罪に光を当てようとした全国的な動きを恐れて引き起こされたのではないか、との指摘もある。

  しかし、このような遺族らが四十年ぶりに再び立ち上がった。六月のニューヨークでのコリア戦犯法廷で米国の犯罪に有罪が宣告されたが、今度は国内を舞台にして、真相を究明する闘いが始まった。全民特委と汎国民委に参加していた遺族らと民主団体が団結し、広範な戦線として共同対策委員会を結成したことの意味は大きい。


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