民族時報 第947号(01.06.11)


【解説】

 6月総力闘争に向かう民主労総

      民衆生存権守る当然の要求 政府の強硬姿勢が直接の要因

 全国民主労働組合総連盟(民主労総、段炳浩委員長)は五月三十一日、@一方的な構造調整と整理解雇の中断A非正規職勤労者への差別撤廃と正規職化B週五日勤務制の導入C母性保護法、私立学校法、言論改革法など民生改革法の制定D腐敗防止法制定、国家保安法廃止――などを求めて、対政府・国会への「六月総力闘争」方針を明らかにした。闘争の山場は、今年の賃金交渉が物別れに終わった事業場の労組を中心に、十二日から突入する連帯ストライキとなるようだ。

●民生関連法の通過要請

 「六月総力闘争」方針発表に先立って、段炳浩委員長ら民主労総指導部の八人は三十日、李萬燮国会議長と面談し、民生改革法案の速やかな処理を求めた。民主労総は「全体労働者の五八%に達する七百万人の非正規職労働者の困難な状況を改善するための非正規職関連法、世界七位の長時間労働を減らして働く場所を分かち合い、国民の生活の質を高める週五日勤務制関連法、世界の半分を占める女性のための母性保護法」を一日も早く制定することの必要性を力説した。

 また、大宇自動車労組への暴力弾圧に象徴される、警察の労使紛争への暴力的介入をやめるよう求め、蔚山の暁星と全南・麗川のNCCなど財界が警察力の投入を求めている労使紛争の平和的解決を促した。

 これに対して、李萬燮議長は「できる限り努力する」と表明するにとどまり、今後の審議日程を明らかにするため与野三党の院内総務が参加する協議の場を求めた民主労総側の提案を「困難」だとして受け入れなかった。

 民主労総指導部は、民生改革法案の処理は急を要するとして、日程を明確にするよう要求して国会議長室でろう城を行ったが、三十一日午前、国会職員らによって強制解散させられた。

●六月総力闘争を宣布

 指導部の国会議長室ろう城に対する強制解散を受けて、民主労総は当日、記者会見を開いて「六月総力闘争」を宣布した。

 今回の総力闘争は、十二日を前後して金属・公共・保健・化学・事務金融連盟を中心とする賃金交渉と整理解雇に関連した時期集中の連帯ストだけでなく、言論労組所属のマスコミ労働者の新聞改革を求めた半日スト(十三日)、全教組の公教育正常化のための共同行動、タクシー運転士の車両デモなど多様な闘いを結合させることを明らかにした。

 闘争宣布に続いて民主労総は一日、「対国会集中闘争の日」としてヨイド広場の国会前で、続いて二日は、「対政府集中闘争の日」としてソウル駅前広場で、それぞれ一万人が参加する大規模集会を開いた。

 ヨイド集会で段炳浩委員長はあいさつし、「国会は一年間年中無休で、開会していながらも民生改革法案を国会常任委員会に係留したままで処理しようとしていない」と批判し、「民主労総は民生改革法案の国会通過と貧富格差を拡大させる整理解雇を中断させることを要求して、六月十二日に総力闘争に突入する」と明らかにした。

 またソウル駅前集会後、約一万人の組合員は新門路までデモ行進の途中、警察庁にタマゴ三千個を投げつけ、大宇自動車労組など全国の労働現場に対する暴力弾圧に強い抗議を示した。

 しかし、政府は強硬姿勢で一貫している。ソウル警察庁は三日、前日のソウル市内のデモと関連して、段炳浩委員長ら民主労総指導部と「暴力を加えたり、火炎瓶を投げ込んだりした労組員」を全員司法処理すると明らかにした。警察は今後、平和集会の保障がないかぎり民主労総の集会を一切許可しないことも明らかにした。

 続いて五日未明には、五月二十五日からストに入っていた蔚山の暁星労組に対し、警察特攻隊と武装警官を投入して組合員を無差別殴打したうえ、約二百人を暴力的に連行する暴挙を働いた。

●民主労総の要求は正当

 民主労総と政府の対立は急速に危険水位に達しようとしている。だが、民主労総の主張と要求は無理なものでも、整合性のないものでもない。九八年の通貨危機以来、政府は労働者にだけ苦痛を強要してきた。また、労使政委員会という何の権限を持たない機関で論議だけを重ねるだけで、実際には今年二月、国会で複数労組禁止条項の削除が五年間猶予され、生存権を守る唯一の武器ともいえる団結権が侵害され続けることになった。

 民生改革立法だけでなく、国家保安法、腐敗防止法などの改革立法も結局たなざらしにされて、人権と民主主義も法的根拠が保障されていない。

 民主労総の要求が切実で切迫したものであることは、だれもが認めることである。

政府は弾圧によって抵抗を呼び起こし、それがエスカレートしていく悪循環を断ち、労働界との真しな対話を通して、根本的な解決に乗り出す勇気が求められていることを悟らなければならない。(高雄埴記者)


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