民族時報 第937号(01.02.21)


【論説】

 冷戦保守勢力の反民族的な態度

  昨年六月の歴史的な南北首脳会談で、金大中大統領と金正日国防委員長が署名した六・一五南北共同宣言は、半世紀を超える分断の歴史に終止符を打ち、祖国の自主的平和統一を早める新たな里程標となった。二十一世紀最初の年の今年に入って、内外七千万同胞は六・一五共同宣言に明記された金正日国防委員長のソウル訪問が近いうちに実現し、和解と団結のすう勢は一層強固に固められて、統一情勢に画期的な転換が起きるだろうと熱い期待で満ちていた。ところが、民族の和解と統一が気にいらない一部の野党議員や冷戦保守勢力は、時代の流れに公然と挑戦しようとしている。

南北共同宣言への挑戦

 二月十二日、国会の統一外交安保分野の対政府質問に立ったハンナラ党の朴世煥議員は「金正日国防委員長はソウル訪問に先立って、韓国戦争など過去の歴史の謝罪と、人権改善に対する宣言的措置が必要だ」と主張した。また同党の尹ヨジュン議員はもう一歩踏み出し、「大量殺傷兵器の放棄、軍事境界線付近の在来式兵器と戦力の後方配置、韓国軍捕虜と北にら致された者に対する無条件送還など、転換的な立場表明が必要」と主張するなど、とんでもない要求まで出した。

  彼らは金泳三前大統領と違って、金正日国防委員長の訪問自体に反対する「蛮勇」までは発揮しなかった。七千万内外同胞が国防委員長の訪問を全面的に支持、歓迎しているためであろう。代わりに、彼らは訪問目的とまったく関係のない問題、それも事実をわい曲し、相手方を一方的に「断罪」する式の敵対的発言を乱発することで、金正日国防委員長の訪問を取りやめにさせようとの愚かな策に出ている。

  このような冷戦保守勢力の反統一的な言動に対して、民主党の李洛淵議員が「過去の歴史をいま論ずるのは、南北間で何もできなくする憂慮がある。南北関係を発展させる過程で、過去の歴史を整理するのが大人の姿勢だ」と反ばくした。李議員はとくに、金泳三前大統領に向かって「北韓まで行って金日成主席と会談しようとしたひとが、金委員長の訪問に反対するのはつじつまが合わない」と指摘し、「前職大統領らしく、民族がすべてのイデオロギーに優先すると宣言した人にふさわしい態度を見せてほしい」と主張した。

「主敵」規定を撤回せよ

  その日の国会対政府質問ではまた、いわゆる北韓「主敵」規定と国家保安法廃止問題に関連して熱い論争が展開された。民主党の李昌馥議員は「世界の大多数の国家が北韓を国家として認定している状況で、韓国が北韓を『主敵』と規定するのは時代の流れに逆行すること」であり、「国防白書で北韓を主敵とみる概念は削除しなければならない」と要求した。李議員はまた「六・一五共同宣言を通して、南北は交流、協力を活性化し相互信頼を構築することにした。したがって、北韓を反国家団体と規定した国家保安法を廃止しなければならない」と主張した。

  これに対して、民主党の第一政策調整委員長でもある李洛淵議員は、過去の歴史問題に関する先の前向きな姿勢とは違って「主敵概念の変更は現在では時期尚早だ」とし、「北韓もこのような側面は理解しながら、南北対話を行わなければならない」と、非常に消極的な論評を出しているのが、今日の与党の現実だ。これは、対政府質問の答弁に立った趙成台国防長官が「南北関係の進展にもかかわらず、北韓は軍事的に依然として脅威」だと前置きしながら、「北韓が対南軍事戦略を明白に修正しないかぎり、主敵概念の変更は適切でない」と発言したことと相通じるものだ。

  われわれは、不信と対決から和解と団結に向かう現在の過渡的状況を直視しなければならない。

 政府与党内に冷戦保守勢力が残存する一方、野党内部にも「主敵」概念の撤回と国家保安法の完全廃止を果敢に主張する統一志向勢力が存在するのだ。統一と反統一とを分ける基準は、ただ六・一五共同宣言に対する立場であり、祖国統一の里程標である六・一五共同宣言を支持し、その履行のために努力するものであれば、だれとでも手を握り合って統一主体力量を拡大していかなければならない。

 (漢拏山記者)


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