民族時報 第937号(01.02.21)


【主張】

 政治犯釈放と政治手配解除を

 数十年ぶりの強い寒波で、今年の冬は例年より一段と厳しい。大雪による被害も多かった。だがこの寒さも、何日かすれば暖かい春になるだろう。しかし民主を愛し、統一のために先頭で闘っている人びとにも、春はやってくるのだろうか。いまこの寒さのなか、多くの人びとが明洞聖堂前の路上で、国家保安法の廃止と良心囚の釈放、政治指名手配の解除を訴えて座り込みを続けている。

 座り込みに参加している良心囚や指名手配の家族らが、十二日に合同の記者会見を行った。彼らは会見で「愛する息子や父に会うことができず、生き別れのまま暮らしている家族は、死ぬこともできずにただ生きているだけ」であり、「われわれ家族が暮らしている家は、葬式をしている家と変わらない」と、切々とした心情で、良心囚の全員釈放と指名手配の解除、国家保安法の廃止を強く求めた。

 良心囚や指名手配者の家族らが、どれほど悔しいからと厳寒のなか、喪服を着て体に縄を巻きつけたまま、路上で座り込みを行うだろうか。家族らは、政権が交替すればこのような座り込み闘争をしなくてもよくなるだろうと信じていた。しかし現実には家族らの期待は裏切られ、良心囚は獄中に閉じ込められ指名手配者は増えていっている。

 家族らの発表によれば、一月十八日現在で良心囚は七十九人、指名手配者は二百二十三人になる。指名手配者のほとんどは韓総連所属の学生である。総学生会の選挙で代議員に当選すれば、国家保安法第七条(利敵団体の構成および加入)違反として「自動的に指名手配者」になる。したがって国家保安法が存在するかぎり、良心囚と指名手配者は絶えず量産されるほかない。

 韓総連は、各大学の自治機関である総学生会の連合体だ。役員構成も年ごとに選挙で代わる。百万学生の自主的な団体がなぜ利敵団体にされるのか、われわれはまったく納得がいかない。とくに、活動の有無に関係なく代議員に当選しただけで「自動的に指名手配者」になってしまうのは、軍事独裁時代と少しも変わらない暴圧だとしか表現できない。

 国家保安法は、もともと生まれてはならない法であった。同法は民族的正統性が弱かった独裁政権によって、政権安保用として作られた。その後、軍事独裁政権下で統治の万病薬として悪用されてきた。また、同法は対北対決政策と分断固定化を制度化する法的装置として、統一の大きな障害物として存在してきた。

 しかし歴史的な南北首脳会談が開かれ、六・一五南北共同宣言の発表で対決と不信を解消して和解と協力、平和と統一に向かっている今日、国家保安法は存在する理由が完全に消え去ってしまった。存在理由のない法を根拠に、良心囚を獄に閉じ込め、韓総連学生らを「自動的に指名手配者」にすることは、道理に合わないばかりか自家撞(どう)着である。

 これまで大統領就任記念日に特別赦免が行われるのが慣例だった。明洞聖堂前で座り込んでいる良心囚や指名手配者の家族と各界の代表らは、二十五日の金大中大統領就任三周年を前に、良心囚の全員釈放と指名手配の解除を求めている。家族らの悲痛な心情をおもうならば、これ以上放置できない人道的な問題である。いまこそ良心囚と指名手配者問題に決着をつけるときがきた。政府当局は勇断を下し、良心囚と指名手配者らが家族のもとに帰れる措置を取らなくてはならない。あわせて、国家保安法を完全に撤廃して民主化を進展させ、南北共同宣言をさらに輝かせなくてはならない。

 


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