民族時報 第847号(98.3.21)


 

 論説

 

 南北の相互軍縮で共存共栄図るとき

 

 九○年代に入って南北韓をおそった経済難を、軍備縮小(軍縮)で克服する民族の知恵が切実に要求されている。北韓の食糧難に続く南韓の外貨危機は、互いに性格は異なるが、外勢の介入によって引き起こされたものだ。チームスピリット(韓米合同軍事演習)など米国の武力示威によって苦しめられてきた北韓の防衛費の過剰支出が、水害と重なって食糧難をもたらした側面がある。

 また、国際通貨基金(IMF)という仮面をかぶって韓国経済を支配しようとする外勢は、救済資金を提供する裏面で軍備拡張を進めている。年初に、韓国に対するIMFの緊急資金が決定されたころ、アジア各国を回って米国製武器の販売促進を行っていた米国防長官は、韓国政府が国防費を削減するかと思ってソウルに来てブレーキをかけた。IMFを通して高利の大金を融資してくれた米国が最新鋭武器を売り、融資金までも回収しようとする冷酷な現実に対応するために、軍縮をしなければならない。右手には銃を、左手にはドル(資本)を握って、韓半島の永久分断の利益を得ようとする外勢が、南北韓の軍備競争を画策すればするほど、軍縮で立ち向かわなければならない。

 このように、軍縮で浮かした平和配当金で、南側はIMFから開放され、北側は食糧難を根本的に解決することができるだろう。軍縮による民族の共存、共栄から目をそむけたまま、南北がそれぞれ経済難を解決しようとしても、そうはならないようになっているのが、九○年代の韓半島情勢である。南北の競争的な軍備拡張をあおり、民族の財源を使い果たさせようとする外勢の陰謀を感じながらも、同族同士で銃口を向けあう愚かな行為はやめるときが来た。

 IMF難局と食糧難を解決するためにも、軍縮が避けられない今が、平和統一を具体的に論議する良い機会だ。経済難の解消と韓半島の平和体制構築という、二匹のウサギを同時に捕まえることのできる軍縮交渉を進めるなかで、南北の信頼が積み重なり、統一の近道に入ることができるためだ。七・四南北共同声明と南北基本合意書の精神にしたがって、南北が軍備縮小を主導することができるにもかかわらず、今まで実行に移すことができないでいる。韓半島の新たな平和体制の確立と南北韓の軍縮の道を開く場である「四者会談」までも足踏み状態にあり、もどかしさを強くさせている。

 これまで南北の間でやりとりされた軍備縮小の提議の流れを見ると、北側がより積極的な反面、南側は米国の顔色をうかがって明確な回答を避けてきた。韓国軍が駐韓米軍の傘の下にいるため、韓国政府の意のままに軍縮を議論できない実情だった。しかし、五十年目に初めて政権交代をなし遂げた新政府は、軍縮問題にも前向きな態度を見せるべきではないか。南北基本合意書を通した南北交流の活性化を主張する金大中大統領が、(基本合意書の不可侵条項を実践する)軍縮に対しては言及していない。さらに金大統領の執権構想が含まれている百大課題のどこにも、軍縮項目がないのは遺憾である。

 金大中政府は、経済論理だけでIMF難局を解決できない点を悟らなければならない。カムドシュIMF総裁の「韓国の経済難が過重な国防費から始まったために、軍縮を通した経済構造調整を実施しなければならない」との「軍縮」部分に対する指摘を忘れたように、新政府は国民に苦痛分担を訴えるだけで、「軍縮―平和統一」カードを活用する意志を見せていない。金大統領の就任を準備してきた政権引き継ぎ委員会で論議されてきた各種の改革案でも、国防費削減・軍縮が抜け落ちた点を納得しがたい。労使政委員会で労働者の整理解雇と財閥改革を強調した新政府が、政府予算の四分の一を占める国防費の削減を通した「政府の苦痛分担」を提示したことがない。国家財政の構造調整の第一位である国防費に手をつけないで、「IMF時代の小さな政府」を志向するところに問題がある。

 IMF時代の「アワ」を抜くのに、国防費の削減―軍縮が効率的であるにもかかわらず、これに背を向ける政治圏の不感症が深刻である。南北韓が今すぐに軍縮をしなければ、共滅するかもしれない状況に鈍感なように、IMF時代にも国会の予算審議の過程で国防費は聖域である。政権引き継ぎ委もまた来年度の予算のうち、五兆ウォンを削減しなければならないと結論を下しながら、もっとも大きな予算項目の国防費は現状維持の線にとどまった。

 IMF難局を迎えて、全国民がバンドをもっときつく締めているのに、「国防族」は軍縮など知らぬ顔をしている。九八年度の防衛予算十五兆ウォンのうち、十兆ウォンが運営維持費だが、このうち(軍人の給与を除いた)軍需分野を放漫に運営してきた点が、常に批判の対象にされてきた。古い宿題である「軍需分野の現代化」を通して残した五兆ウォン(?)程度を、失業基金や教育文化基金に回すのが「IMF時代の統一志向的改革」ではないか。兵力の数を減らし、兵器導入事業の構造調整を通した剰余資金を国民福祉基金に適用する必要がある。政府予算のうち、国防費が四分の一なのに比べて、福祉社会保障予算は二・六%(スイス・スウェーデン三三%、米国一四%、日本一二%)にとどまる不均衡を放置して、「国民の政府」を自称することはできない。

 経済成長の足かせとして作用している国防費のアワを取り除くのをおろそかにし、IMF難局を克服するということは、理屈にあわない。冷戦時代の南北対決構造がもたらしたIMF難局を克服しようとすれば、「脱冷戦の平和志向的経済構造」に果敢に脱皮しなければならない。最大の好況をおう歌している米国も、過去三年間、国防費を四○%削減した。九○年代の脱冷戦時代を迎えて、軍事費を減らすことが国際的に流行のようになっているのに、韓国だけが例外のようである。それも韓国戦争以後、最大の国難だと嘆きながら、国防費に手をつけられないでいる。国家の存亡がかかっているIMF時代に、度量を大きくして国家財政のぜい肉を落とし、特に国防費を削減することなくしては、第二のメキシコ事態を招くだけだ。韓国のように外貨危機に直面したメキシコの軍事費比重が、三・八%である点に示唆するところが大きい。

 軍縮を通した経済活性化を図るのがIMF時代の代案であり、平和統一の近道である。IMFの救済金融基金で同族殺傷用の最新鋭武器を買い入れる「愚かものの大行進」を続けるかぎり、「IMF信託統治体制の分断固定化」から抜け出すことはできない。

 (崔康佑記者)


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