民族時報 第847号(98.3.21)


 

 焦点

 

 3・13特赦―政治犯はわずか74人

 

 わずか七十四人だった――金大中大統領就任後の十三日、金大中政権は特別赦免措置を実施し、約五百五十二万人が赦免・復権した。だが、政権側の言う「史上最大規模の特赦」とは裏腹に、赦免措置で釈放された政治犯はわずか七十四人にとどまり、全政治犯の釈放を求める国内外の救援団体や市民団体の中に深い失望と怒りを呼び起こしている。

 今回の特赦の内訳は、約五百五十二万人のうち、交通違反などで処罰された約五百三十二万人が行政処分の取り消し、懲戒処分を受けた現・前公務員約十六万人が懲戒赦免、刑事犯約三万人・公安事犯約五百人が仮釈放・減刑などとなっている。そのうち、釈放された政治犯はわずか七十四人(一五%)で、百四十四人(二八%)を釈放した金泳三政権出発当時の赦免水準にも満たない数だ。

 今回釈放された政治犯は、在日韓国人政治犯の孫裕炯氏、金炳柱氏の二人、日本関連政治犯の柳廷植氏、朴菖煕氏の二人、汎民連南側本部の姜希南議長、全昌一氏ら三人、核心幹部を除いた韓総連学生二十六人、非転向長期囚の六人、また作家の黄皙暎、金河杞の両氏が釈放された。だが、残る在日政治犯の金長浩氏、徐順澤氏の二人をはじめ、非転向世界最長期囚の禹ヨンガク氏や社労盟の朴ノヘ氏(詩人)ら五百人近い政治犯が対象からはずされ、いまだ獄中に捕らわれている。

 特赦に関連して、民家協や全国連合、参与連帯、カトリック人権委員会、経実連などはこの日、選別釈放に対して一斉に糾弾声明を発表したほか、各団体のメンバーや除外された政治犯家族ら約五十人が明洞聖堂で抗議集会を開いた。また日本でも、汎民連日本地域本部が十四日、すべての政治犯の釈放を求める声明と汎民連南側本部幹部らの釈放を祝う声明を発表したほか、韓国人権基金国際センターや在日韓国人「政治犯」を支援する会全国会議、アムネスティ・インターナショナルもそれぞれ声明を発表し、今回の赦免措置に失望の念を表明、全政治犯の即時釈放を強く求めた。

 一方、十七年間獄中に捕らわれ、今回仮釈放された在日韓国人政治犯の孫裕炯氏(六十八才・大阪市居住)の夫人・夫辛花さん(六十七才)は十三日、大阪市生野区の聖和教会で救援関係者とともに記者会見に臨み、「長い冬が終わり、やっと春が来ました」と喜びを語った。

 夫辛花さんはこの日、救援関係者からの電話で釈放を知った。「みんな一緒に釈放されなかったので喜びも半分。一日も早く全員を釈放してほしい」と訴える一方、「ずっと励ましてくださった支援者の皆さまを一生忘れません」と話した。

 夫辛花さんは最後に、「早く祖国が統一して、民族すべてが助け合って生きられる社会が実現してほしい」と切々と語った。真に「国民の政府」と評価されるかどうかは、金大中大統領のこれからの政策にかかっている。


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