民族時報 第847号(98.3.21)


 

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 総理同意案めぐり混迷続く

 

 二月二十五日に出帆した金大中大統領は、新総理に金鍾泌・自民連名誉総裁を指名したが、多数野党の国会で同意を得られず、十八日現在、三週間におよぶ「総理代理体制」の変則的な運営を余儀なくされている。野党・ハンナラ党は金鍾泌総理同意にあくまで反対し、憲法裁判所に金鍾泌総理代理に対する「効力停止と職務執行停止の仮処分申請」を提出するなど、政局の混迷は長期化しそうだ。

 

 ハンナラ党は四日に議員総会を開き、二日の臨時国会で、総理同意案の投票が混乱で中断したことに対して、与党の国民会議や自民連を激しく非難するとともに、「とことんやろう」との闘争決議文を採択した。そして十日、金鍾泌総理代理に対する「権限争議審判」と「国務総理代理任命の効力停止および職務執行停止仮処分申請」を憲法裁判所に提出し、裁判闘争に持ち込んだ。

 ハンナラ党が提出した「権限争議審判」は「金大中大統領が国会の同意を得ないで総理代理を任命し、ハンナラ党の議員百五十九人の国務総理任命同意権を侵害した」というもので、「効力および職務執行停止仮処分」は「権限争議審判請求に対する決定が出るまで、総理代理の職務を停止させる」というもの。同党は「権限審判」の審議が長期化するとみて、その間の「効力と職務執行」の停止を狙い、最終的には金鍾泌氏の総理代理辞任を目指している。

 憲法裁判所は十二日、ハンナラ党が申請した権限審判などを二十六日に、双方の当事者を出席させて公開討論形式で開くことを決定した。裁判が始まった場合、結論が出るまで相当の日数がかかると思われる。

 国会での与野党対立は、このほかに経済政策失敗の責任を問う経済聴聞会、補正予算審議、北韓介入ねつ造事件などがある。

 このうち「経済聴聞会」は、金大中大統領が一月の「国民とのテレビ対話」で「新政府の出発後、遠くない時期に実施する」と約束した事項であり、政府と与党は実施に合意し、野党も原則的に同意している。「補正予算審議」は民生に直結する事項であり、長期化すれば与野党ともに国民の批判を免れない。また「北韓介入ねつ造事件」は安企部の内部調査と検察の捜査で、野党議員の関与説や権寧海前部長が指示したとの確証が出ているため、野党としては痛しかゆしの状態に追い込まれている。

 このような硬直した政局を打開するため、与野党は総理同意案と補正予算案を切り放して審議することで妥結した。十六日から十日間開かれる国会で予算案を審議し、総理同意案は四月に、「北韓介入ねつ造事件」問題や経済聴聞会は六月の地方自治体長選挙のあとに開くというもの。

 いずれにしても、総理同意案の違憲判断と国会審議は来月に持ち越され、政局の混迷は一か月以上続くことになる。「違憲的」な総理代理体制に固執する金大中政権・与党と、総理同意案に反対姿勢を崩さない野党に対して、国民の目は徐々に厳しくなっている。


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