民族時報 第834号(97.10.21)

 

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金大統領は責任負い辞任を

 

 国内史上初めて、現職大統領の家族が実刑判決を受けた。ソウル地裁の孫智烈裁判長は十三日、企業家六人から利権の代価として約六十六億ウォンを受け取ったとして拘束起訴された、金泳三大統領の次男・賢哲に対して、特定犯罪加重処罰法のあっせん収賄罪と脱税罪を適用し、懲役三年に罰金十四億四千万ウォン、追徴金五億二千万ウォンを宣告した。これに対して、国民の中から彼を重刑に処すべきで、父親の大統領も責任を負って辞任しなければならないとの批判が高まっている。

 

 賢哲は六十六億ウォンの収賄罪などで懲役三年の判決を受けたが、「金賢哲事件」は九二年の「大統領選挙資金」問題と国を揺るがした「韓宝疑惑」、全般的な「国政介入」が事件の本質である。

 大統領選挙資金問題は、金泳三氏が九二年の選挙で一兆ウォンの資金を使ったといわれるもので、韓宝が九百億ウォンを提供したのをはじめ、盧泰愚が一千億ウォン弱の資金を出したと供述している。賢哲は選挙資金のうちの残り三百億ウォンを管理しており、選挙資金の全ぼうについても知りえる立場にいたといわれる。

 韓宝疑惑問題は、一月下旬に韓国十四位の財閥・韓宝グループが、五兆ウォン(約七千億円)の負債を抱えて倒産した事件。大検察庁(最高検)は韓宝に巨額の不正融資が行われたとして、金大統領の側近ら与野党の政治家五人を拘束して、早期幕引きを行った。当時、世論の八割は特別検事制を導入し、五兆七千億ウォンの特恵融資の「黒幕」といわれた賢哲を捜査するよう要求していた。

 「韓宝疑惑」の捜査で明らかになったのが、賢哲の「国政介入」である。賢哲は父・金泳三氏が大統領に当選した直後から、「大統領の息子」として九七年の大統領選挙での再執権のマスタープラン作成、二人の首相と金東鎮・現国防長官の内定などの政権人事、李洪九氏の代表就任などの党人事、KBS、MBC、YTNなど放送各社の社長人事、警察や検察、国営企業の人事、高速道路のサービスエリア認可、安企部の私物化など、「手をつけなかった部署がない」といわれるほど国政に介入してきた。

 その結果、大統領は二月下旬に、息子は三月中旬にそれぞれ謝罪をしたが、国民は納得せず、大検察庁が賢哲を五月十五日に拘束し、起訴した。

 ソウル地裁が賢哲に実刑を下したことに対して、民主団体や法曹界などは「政治家のいわゆる『モチ代』としての活動費に対して、司法史上、初めて脱税罪が適用された」と評価している。しかし、今回の裁判は九二年大統領選挙資金や韓宝疑惑への「黒幕」としてのかかわり合い、国政全般への介入を裁くものではなく、むしろ国家的な規模の事件を「ワイロや脱税」次元に狭めてしまったことに問題がある。

 今回の判決は、実刑の内容が三年であることから、「一審で懲役三年ならば、二審で執行猶予が可能」とみるのが法曹界では常識になっており、すでに賢哲の赦免への道を開いたものとの批判が上がっている。